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2007のわたくしごと


電線病に効く?

 ラジオ技術誌7月号で宮原氏が紹介していた、フジクラ3C-2WSによるRCAケーブルを作ってみました。ご存じない方には、なんだこのプラグ部分のいびつな仕上がりは?と思われること必定(^^;。

 3C-2WSの外側導線はモガミなどとは異なり網組で、おまけにそれが2重になっているので、ほぐすのがけっこう大変です。爪楊枝を使って、素線を傷めないように慌てず気長にやりました。
 記事のイラストがあんまり上手くなくて(失礼)、細部の処理がどうなっているのかもうひとつよくわからなかったので、氏の思想---プラグのスリーブは単なる“共振器”なので取っ払う・ハンダはできるだけ少量で---を尊重しつつも、あまり本来の作り方は気にしないことにして、自分の流儀で(というか、最終的には成り行きで)テキトーにまとめてしまいました。


 CP-Y/ECP-1をこのケーブルで聴いてみたところ、なるほどヘンな癖の感じられない素直な音です。高いほうも奇麗に伸びて演奏の細部までよく聞こえますが、いかにもオーディオ的なHi-Fi調とは違う自然さがあります。DCアンプファンの方には、「同軸ケーブル界のダイエイ電線」といったふうな感じ、と言えば伝わるかな。
 たまたま別の目的で部屋の隅の“資材置き場”を掘り起こしていたら、大昔に使っていたモガミ2800が出てきました。これは2803の前身で、構造は同じですが、線材がまだPCOCCでなくOFCのものです。聴き較べてみると、こちらはいっそうフォーカスがはっきりし、低音の動きが鮮明で、この点では宮原ケーブルに少しもの足りなさを感じさせます。ただし、中高音がちょっときつくなり、聴いていてると疲れます。現状の私のシステムに於いては、2800はCP-Y/ECP-1とは相性が良いとは言えないようです。

 で、再度もとの2497に戻してみたら、結局これが一番楽しく音楽が聴けるのだった、というオチだったんですけどね(^^;。ま、宮原ケーブルの素性はよさそうなので、別の機器との組み合わせで生かせるでしょう。

2007.12


読書、とレコードの秋

 一頃からすればあまり本を読まなくなってしまいましたが、某南米密林地帯から過去の購入履歴に基づき送られて来るお誘いメールに、あまり愉快でない気分を感じながらもまんまと釣られてしまいました、山崎浩太郎新訳のこれ。前の「レコードはまっすぐに」も面白かったけれど、これも私には滅法面白い。フラグスタートは実に残念なタイミングで亡くなったのですね。
 やはり読みながらかけるレコードはいきおいワーグナーになったりします。でも私の場合ショルティじゃなくてクナッパーツブッシュなのですけれど。CP-Xでワルキューレ第1幕のフラグスタートのすばらしい歌唱を聴きながら、ちょっと涙ぐんでしまいました。

2007.10


electrostaticな日々

 POD-XEのリフレッシュ、大方完了し、ここしばらくはCP-X+POD-XEの「E.D.P.システム」でレコードを聴いています。現用のシステムで聴くと、音に関しては新品パーツ投入の効果もあってか、昔使っていたときよりもよさが引き出せている感じがするのでした。あ〜、新品の針が欲しいなあ。

 ただし、とりあえず実用にはなっているものの、まだ少し気になる部分も残っています。発振/検波部の動作が、特に右chについてはいまひとつ本調子ではないような感触で、左よりも少し感度が悪いのですが、なにせ通常のアンプ類とは勝手の違う高周波回路ゆえ、そっち方面に明るくない私には即座に原因を特定することもできず、モタモタと試行錯誤を繰り返すしかありません。
 もっとも、かの高城氏をはじめ、これらが現行品であった当時に使われた方々もしばしば不調に見舞われたとのことですから、もともとこんなものなのかも。でも自分のところでは以前はもっとバランスはよかったはずなんだけどなあ…というわけで、もう少しいじってみることにします。

2007.9


あのCP-Xをもう一度

 CP-Yのせいで、かつてのコンデンサーな人であった頃の気分がだいぶ戻ってしまい、またCP-Xを持ち出してきて聴いてみたりしておりました。やはりよいです。だいぶくたびれてはいるけれど、常用するのでなければもうしばらくは使えそうなので、この際少し新しいパーツも投入したりしてPOD-XEをリフレッシュしてみることにしました。

 と、今月号のラジオ技術誌、なんとスタックスの初期のコンデンサー型モノラルカートリッジCP-15Vの修復記が載っているではありませんか。ちょうどそんなタイミングゆえ、私にとってはもとより非常に興味が引かれる記事でしたが、記事の終わり近くに、筆者の方が金田先生にその修復計画を伝えたところ「コンデンサは理想の方式だから頑張るよう」に励まされたとの記述を見つけ、ちょっとDCでなおかつコンデンサーな人である私としてはいっそう嬉しい気持ちになった次第です。「理想の方式」、おお、有り難いお言葉!(^^)。
 でも、今後DCアンプシリーズにコンデンサーカートリッジがらみの記事が登場することはないでしょうね。残念…いや、そのほうがいいのかな(^^;。

2007.8


宗旨替え?

 もう半年も更新せぬまま放ったらかし状態になっておりました。それというのも、オーディオ的に心の定まらぬ日々が続いていたせいでもありますが。
 発端はCP-Yを聴いたこと。久々に聴いたコンデンサーカートリッジの音に、DL-103だけがカートリッジでもあるまいに、という思いが頭をもたげてきてしまいました。いきおいDL-103以外のカートリッジににわかに興味が湧き、某オークションで中川さん推奨の空芯MCなんかをいくつか落札してみたりして、“多針教”に宗旨替えか?といった状況であったわけですが、まあ103PROなんか使ってたりしてますから、もともと潔癖な一針教徒ではなかったですね(^^;。
 ところで、どうも金田球プリでは出力電圧0.2mV以下くらいのMCはやはりS/N的にしんどいものがありますね。そのうち半導体プリも作ってみなけりゃいかんか、という気分になりつつあります。

 で、実はDCな人々にはお呼びでないと思われるDL-103Rにも初めて手を出してみたわけですが、これは103とは別物でした。ちょっと違い過ぎです。なんとか気に入った音で鳴らないものか、ということからまたまた始めたプリの改造ですが、103Rの音はさておき、結果としてプリ自体の音は前よりよくなったみたい(^^)。詳細はまたいずれ。

2007.7