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避難所にて

 これまで当サイトにおける私の居住地に関する記述としては、「北陸」くらいしか書かずにぼやかしていたのですが、今回は話の大前提になることゆえ具体的に書かざるを得ません。実は1月1日の大地震の地元、能登半島の輪島市なのでした。

 経験したことのない激しい揺れで、当初は震度6強と報道されているのが少々疑問だったのですが、後で震度7に達していたと訂正されて納得した次第。
 家は、柱が傾いたり壁が歪んだり風呂場の壁にヒビが入ったり屋根の瓦がベコベコになって雨漏りしたりと、相応に傷んだものの、ガラスが割れたりすることはなくなんとか持ち堪えました。
 断水、停電の中でも、食料は正月用に買い込んだものを始めそこそこの量があったし、生活用水として近くの小川から山水を汲んでくることもできたので、しばらくはそのまま家で生活できていましたが、土砂崩れや孤立化の恐れがあるということで避難指示が出て、5日目からは地元の小学校に開設された避難所で生活することになりました。

 家の中はもちろん、ほとんど物を置いていない部屋以外、どの部屋も壮絶にとっ散らかってしまいました。私の部屋なんて、家の中で一番細々とした物がたくさんありますから、それはもう目を覆いたくなる惨状となってしまったのは言うまでもありません。
 でも、まだ詳しく確かめた訳ではありませんが、オーディオ機器類には意外にも大きなダメージは無さそうです。あれだけ激しく揺れたのに、不思議なことにプレーヤーは棚から落ちていなかった。アンプ類も、当て傷くらいは付いたでしょうが、多分問題ないんじゃないかと思います。
 そんなこんなで、オーディオは思ったより大丈夫そうなのですが、普通の生活に戻るまでにはまだだいぶかかりそうですし、オーディオを再開しようという気持ちになれるのはさらに先のことでしょう。

 とは言え、避難所暮らしも長くなると、ちょっとオーディオ的なものを持ち込んでみようかという気にもなるもので、家へ戻って取ってきたのがSTAX SR-001。避難所の環境では、なんとなく普段聴いていたものを聴こうという気分にはならず、音源は専らYouTubeの音楽系コンテンツです。吉村妃鞠さんの演奏に感嘆しきり。

 SR-001は、スタックス工業株式会社時代の終わり頃、発売されて間もない時期に買ったものですが、中身は例によってもう何年も前に弄ってしまっています。
 記録として撮っておいた写真を見てみたら、12年前に低圧系のコンデンサ類を総取っ換えしたようで、2年前には更に入力に使ったEROのフィルムコンMKT1826を再度ECHUに換えていました。入力のミニジャックの側に見える紙フェノール基板の切れ端にECHUが載っています。

 小さな発音ユニットでは重厚さは望めませんが、静電型の爽やかで繊細な音はクラシックを気軽に聴くのにピッタリです。SRD-X ProとSR-407を持ってくればもっといい音で聴けるのは間違いないですが、避難所であれを使うのは流石にちょっと…

2024.2


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