録音機

 これらは私が使った録音機とその周辺機器。どれもこれもみんな小さなものばかりである(ショボいものばかりでもある…(^^;)。人間が小さいせいか、小さいものが好きなんですな。自作品というわけでもなし、お見せするほどのもんじゃございませんが、縁起物ということで…(?)。


SONY WM-D6C
 録音機、兼テープ再生機としてもう10年以上使っているウォークマン・プロフェッショナル。小さなミツミ製アモルファスヘッドは金田氏に「音楽録音用には使えない」と酷評された。Cの付かない前身D6の“パーマロイ”ヘッドのほうは褒められた(でも本当はセンダスト+フェライトヘッドなんだった)。違うのはヘッドだけではなくて基板自体が別物。基板を見るとD6のほうがパーツが大きく密度が小さい。出力のオペアンプなんて、D6CはSOPの小さなものだが、D6はDIPパッケージ。それがすべてでもないだろうが、やっぱりパーツは大きいほうが音がよさそうだ。
 残念ながら私が買おうと思ったときにはこのD6Cしか売ってなかったんだよね。
 D6のほうはほんの2年ほどの間しか生産されなかった。ドルビーCなんかいらないから、D6のまま生産を続けて欲しかったところだ。
 音は、小さなポータブルといって馬鹿にできない。金田氏はああ言うけれど、D6Cでも私の駄耳は受け付けてしまうのでした(^^;。でもD6のオリジナルの音を聞いたことがないので、聞けば気が変わるかもしれない。
 やっぱりD6のヘッドが気になって、いっぺん自分で載せ換えてみたことがある。レベルメーターの表示レベルが変わってしまい、ヘッドが違うと回路定数も異なるのだと納得。もっともちゃんと録音再生は出来て、特に変な音になった気もしなかった。ただし、明確によくなったとも感じなかったのはD6Cの他の部分も影響しているのか、やっぱり私が駄耳なのか…(^^;。というわけで、結局もとに戻しました。
 長きにわたって生産され続けたが、ついに2000年をもって終了となったそうだ、さらば〜(T_T)。

後記:後日、完動品のWM-D6を入手できてしまった!

そして、そのモーターをDCアンプ制御してみた


SONY WM-D3
 これもウォークマン・プロを名乗っていた機種である。D6Cよりも前にたまたま買っていたもの。メカは古い2代目ウォークマンのものを受け継いでいるものと思われる。操作ボタンの配置などが同じだ。ヘッドはD6Cのものと似た小さなものが付いているが、アモルファスということなのでたぶん同じものだろう。ドルビーはBのみ。私は使わないけど。
 指揮者の小林研一郎氏がリハーサルを録音するのにウォークマン・プロを愛用していて、このD3は音がよいけれど生産中止なので大事にして、普段こき使うのにはD6Cを充てている、というような話がずっと前に何かの記事に載っていた。音楽家に認められたウォークマン!(?)
 現状はテープを再生するのは可能だが、モーターが回るとカタカタと音がする。なにか引っ掛かっているようだ。せっかくだから修理して大事にしたらいいかな、とも思うけど、もう修理してもらえないかな。


SONY TCD-D7
 DATウォークマン、この前にD3があって、この後D8、D100と進化したけれど、もう打ち止めか?アイワやデンオンもこういう小さいのを出していたが、DATも結局あんまり広まらないまま消えていくのだろうか。テープもなかなか見つからなくなってきた。
 これはWM-D6(C)と同じ設計者のデザインだそうで、小さいながら使い勝手は悪くない。でもD6(C)のようにストラップを付けられるとよかったと思う。
 音はというと、なるほどヒスもワウフラもなく(当たり前)クリアに録れるんだけど、なんとなく音が遠い気がする。やはり再生にはもっと大型の据置き機があったほうがいいようです。
 オーディオ機器なのではあるけれど、こやつの動きはなんだかビデオカメラとか、そういった電脳家電製品の仲間という気がして、いまひとつ愛着が湧かない。メカがモーターでうぃーん、んごんご、かしゃ!なんて唸りながら動くので、すぐ壊れそうでなんだか不安(実際ときどき作動エラーが出る)。ロータリーヘッドを持っているわけだから当然なんだろうけど、マイコンが支配するキカイってのは心情的に道具とは感じにくい。結局愛着が湧くのは旧式のアナログ録音機。多少のワウフラもヒスノイズも問題じゃない。私はやっぱりアナクロ人間、いやアナログ人間、どっちでも同じか。でももうカセットテープの時代は終わってますねえ…。


AIWA AM-F7
 デジタルの録音機をもうひとつ。これは自分用というよりは、ある人に音楽ソースを録音してあげるために、特価販売されていたモデル末期品を買ったもの。小さく軽く、電池はかなり長く持つ。いかにも今どきの工業製品、って感じだ(やや旧製品だけど)。
 しゅうぅぅぅー、かたん、しゅうぅぅぅー、かたん、といかにもコンピューター機器のような音を出しながら動作する様は、なんだかパソコンのフロッピーディスクを思わせ、オーディオ機器としては違和感がある。やっぱりオジサンの趣味のオーディオには無縁のキカイか。
 ATRACの音はどうだろう。CDをダビングして聴いてみると、やっぱりどこか間引きされたような音がする、ような気がする…が、先入観のせいだろうか。なんか満足感がない。もっともこのグレードの機器に鮮やかで潤いのある音など要求するのが間違っているか。デジタルのくせに端からヒスノイズみたいな音が常に聞こえているというレベルだし。
 これをもってMDの代表と見るべきではないだろうが、これだったら私にはカセットのほうが落ち着いて聞ける。小さいけれど持ち歩いて音楽を聞きたいという気にはなれなかったし、生録にも使うこともなかった。いずれカーステレオがMDになったらこいつでソフトをダビングして聞くことにしようと思っていたが、どうもCD-Rのほうが優勢になってきたように見える。


SONY ECM-909
 DCマイクを作る前に買ったステレオマイク。もともとウォークマン・プロとともに使われることを想定した製品だろう。値段は確か1万円くらいだったと思う。3本でCK-1が1個買えるが、そう思うとCK-1は安価といえる、かも。
 初めてこれを持って野山に出かけたら、たまたまウグイスが大きな声でさえずっていたのに出くわしたので、こいつはラッキーとばかり延々手持ちで録音し続けたのを思い出す。
 DCマイクと較べたら、さすがに問題にならない難聴マイクで、音楽を録音してもぜんぜんぱっとしない音だったけれど、録音しているだけでそれなりに楽しかった。
 やっぱり造りもそれなりで、単なる経年変化の結果だと思うが、今ではノイズが出て録音には使えない。


バイノーラルステレオマイク(?)
 ラジカセなどに使われた松下製の汎用エレクトレットコンデンサーマイクユニットはパーツ店で100円くらいで手に入る。これがなかなかうまい具合に耳穴にひっかかるので、その状態で耳殻に反射した音をとらえればたいへん効果的にバイノーラル録音ができる、のではないかと…なにしろ自分の頭だからダミーヘッドなんかじゃないぞ、リアルヘッドだ!(^^;…?
 ずうっと前から考えていて、実験にとりかかろうと思うけどまだやっていません、録音の機会がないもので。電源部とか作らなくちゃいけないんだよね。
 
 MJ誌1999.12月号の「HiFi追求リスニングルームの夢」に登場された方が実際にこれに近いことを試みられたようで、ショボいマイクユニットにも関わらず、なかなかの好結果が得られた模様。案外期待できそうだ。

 もしこれがうまくいったとしたら、耳穴を完全に塞ぐわけでもないし、コンサートの隠し録りに最適なんじゃないか。でもコンサートに来てイヤフォンをして他の音楽を聞いているコワれた人と思われたりして…周りがすいてかえってゆったり聴けていいかも、一石二鳥(?)。