CDプレーヤーに超低ジッタークロックを組み込んでみる
要約してしまうと「クロックを交換してみました。音がよくなりました。めでたしめでたし」というだけのことなのですが、これはアナログ派の私がCDに対する認識を変えざるを得なくなった、まさに「事件」と言っていい出来事なのでした。 |
ジッター、イジッター(を思いついた人はまずオヤジでしょうな) やれ高精度クリスタルだ、ルビジウムだ、といった具合にクロックを巡ってデジタルオーディオの周辺が騒がしくなり始めたのはいつ頃からだったか。クロックのジッターが音質に及ぼす影響が指摘されるようになって久しいと思うが、個人的には実際にどのように音に現れるのかを自分で体感する機会はなかったし、巷の議論にももうひとつあやふやな印象しか持てないでいた。 ところが、(有)フィデリックスのサイトの「技術情報」のコーナーに載せられた記事を読んだら、すぐにすっきり腑に落ちてしまった。ジッターの正体について、こんなに納得のいく具体的な説明を聞いたのは初めてだ。コンデンサーカートリッジをとことん研究した中川さんならではの解説だろう。
というわけで、にわかに頭の中がすっかりジッター祭りモードになってしまった私は、試作された超低ジッタークロックを即発注。もちろん悩む必要もないほどの安さも大きな理由だったし、交換方法が解説されていたことも後押しした。 自分で実際に機器に組み込んでみるのが遅れていたが、そのうち記事の続編がアップされた。この文のおかげで、音質にどのような影響があるのかという具体的なイメージがはっきりしてきた。なるほど、扇風機!むー、これも実にピンと来る話だ。 |
フィデリックスのクロック基板はサイズが小さいので、発注したときには、ここ数年常用しているCDウォークマンに組み込むつもりだった。 私の場合メインのソースはアナログなので、CDはとりあえず気軽に聴ければいいや、という位置づけだ。経験から、ちょっとやそっと頑張っても、CDから心安らぐ音を引き出すのは無理っぽかった。うんと高価なプレーヤーを使えばそれなりによい音を聴くことができるのかもしれないが、そこまでして聴きたいほどの盤もない。費用対効果のバランス点がCDウォークマンだったということだ。 そういうわけで近年は、あまり場所を取らないのをいいことに、CDウォークマン複数台を、ヘッドフォン用にしたりトランスポートとして楠DACに繋いだりして使ってきた。 当初はそのCDウォークマンに組み込むつもりでいたクロック基板だが、実物を見たら、給電部に設けられたRCのフィルタの100uFのコンデンサーがけっこう厚みがあり、CDウォークマンの薄いボディに内蔵するのは困難であることが判明した。バッテリーのスペースになら納められなくはなさそうにも思えたが、ハウジングに加工が必要で、配線そのものの取り回しもけっこう長くなりそうだった。さて、どうするか。
結局CDウォークマンへの組み込みは断念して、おとなしく(?)中川さんに倣い、PioneerのCDプレーヤーPD-F25Aを新規に買って、こちらに組み込むことにした。他にこの16.9344MHzのクロックが適合する手頃なプレーヤーも思い浮かばないし、PD-F25Aのクロック改造版は既に中川さん周辺の方々の絶大な支持を得ているようだから、ハズレの心配がない。なんと、今どき日本製であることも安心材料だ。 そして、何といってもPD-F25Aは安価である。定価25,200円。もちろんWebでならはるかに安くに手に入る。本家パイオニアのショッピングサイトでさえ2割引きで販売している。もう「定価」の主旨など気にしていられないらしい。 |
妙な形をしているが、PD-F25Aは25枚のCDを装填して連続再生が可能な、いわゆる「CDチェンジャー」である。BGM的にCDを聞くには重宝するだろう。業務用というわけではないが、店舗用に使う向きもあるやに聞く。他社には相当モデルは存在しないようだ。 オーディオマニアの感覚からは、こんなものはまじめに音質を追求しようとする本格的オーディオでは使えるはずがない、と思うのが普通だろう。なにしろ安い上に、音質上は何のメリットもなさそうなCDチェンジャーの余計なメカまで抱えているのだから。
ところが、音質上有利に働く要素を全く備えていない訳でもない、かもしれないのだ。 とあるサイトで、「CDプレーヤーを立てたら音がよかった」という報告を見かけたことがある。音の良さの理由として、ピックアップの姿勢についての考察が述べられていた。「ピックアップの制御が、トラッキング、フォーカスともに水平方向に動作するため、サーボが重力の影響から解放されることになる。それが音質上有利に働くのではないか」という主旨である。あくまで推測でしかないが、かなり説得力がありそうな気が… というわけで、このPD-F25Aのドライブユニットが、まさしく「立っている」んである。 |
内部は見てのとおりで、前面のトレーに25枚のディスクを受ける溝があるのが分かるだろう。 |
CDドライブユニットが目的のディスクのところまで平行移動しては、ディスクをトレーから拾い出し、くわえ込んで再生する。チェンジャー機能による連続再生を必要としない場合は、3番目あたりのスロットを使って再生するようにするとディスクの出し入れがしやすい。 改造前の音だが、メカが立っているせいかどうかはさておき、これがなかなか悪くない。ちょっと低音が強いというか、大げさに聞こえてバランスがいまひとつに思えることがあるのだが、全体としては音楽がけっこう生き生きと伸びやかに聞こえる。ゾクッとするような繊細さとかデリケートなニュアンスの描出を求めるとちょっと違うが、気軽に音楽を聴く上での音の好ましさということだったら、期待以上の素質を持っているように思う。肩肘張らずに聴くならほんとにこれで十分かも。
オペ開始 このCDP、チェンジャーメカゆえのちょっと変わった構造のせいで、基板へのアクセスは容易ではない。実は、手順を読み解くまでにだいぶ時間がかかってしまった。カバーを開けては中を見回してひとしきり首をひねった後また閉じる、というのを3回ほど繰り返して、こんなことなら最初から中川さんにクロック基板じゃなくて改造済みのPD-F25Aを注文すればよかったかなぁ〜と、ちょっと後悔してみたり。 というわけで、だいぶ考えさせられたけれど、やっとなんとか開腹に成功。 |
あきましたおめでとう。
これがメイン基板である。ようやく全体を見渡すことができた |
見たところずいぶんパーツが少ない。実は裏側に表面実装部品多数。ジャンパーがやたらと目につくが、多層基板でないのでこうなってしまうのだろう。
えーと、問題のクロックは、と…あ、ここだね。いたよ、水晶振動子。 |
水晶振動子の側にあるTO92の石は2SK246だった。何の役割をしているのだろう?
さて、水晶振動子の裏側はこんな様子。 |
1MΩと270Ωの抵抗に、振動子両端とグランド間に小容量のチップコンデンサー。ほとんど教科書どおり。意外に分かりやすい♪ これを見てようやく作業全体の見通しが立った気分。
さて、まずは水晶とチップコンを取り外してしまう。 というわけで、ヘッドルーペのお世話にもなりながらの作業は案外楽ではなく、AT-1に鉛入りハンダを使っての金田式の工作のようには手際よくはいかない。チップコンを外すとき、ランドもちょっぴり一緒に取れてしまったりと、100点満点といえる仕事はできなかった。が、どうにか大きな問題もなく除去作業を完了。 |
無事実装完了。右端に少し見えているのがSONYのCXD2529QというDAC、というか、デジタルフィルタやアナログローパスフィルタまでひっくるめて1パッケージに収めた“CD Digital Signal Processor”である。
フィデリックス仕様は電源の整流ダイオードもショットキーバリアダイオード(SBD)に交換することになっているので、それもやってしまおう。本当はクロックの効果、SBDの効果それぞれを別々に聴いて確認したいところなのだが、なにしろ開けたり閉じたりが面倒な機体なので、どうせ悪くなることもないだろうし、この際いっぺんにやっつける。 SBDは、日本インター11EQS04が40本一袋で投げ売りだったのを買い置いてあったのが、ここでやっと少しばかり消化できる。そもそも中川さんに依頼すれば、より音のよい品種が取り付けられてくるのかもしれないのだけれど。 |
よーし、できたぜぃ〜。(^^)
聴いてみる どうもデジタルというのは、工作していても音が出るプロセスを実感しにくいので、ちゃんと鳴るのかどうか不安になる。とりあえずそこらにあるディスクを入れてスイッチを押してみたら、どうやら読み込んで再生が始まったので一安心。早速常用システムに繋いで試聴しよう。はたして、改造後の音はどうだろうか。
まずは、DCマイク使用の五島音源や、最近届いたBill Evans “The complete Village Vanguard recordings, 1961”などをかけてみた。 まず感じたのは中高域の明瞭度が格段に向上したことだった。たぶん低域も同様に明瞭になっているのだろうが、しっかりピントが合って、曖昧さがなくなったようだ。そのためか、改造前に感じた低音の表現がオーバーになる傾向はすっかり影をひそめ、まったく普通のバランスで聞けるようになった。周波数特性が変わるはずもないので不思議なことだが、こういうところが測定器と人間の耳の異なる部分だろう。 改造作業を完遂してやや泡立った気分の中でもあり、あまり正確な判定もできぬかと、夕食後、落ち着いてから再度試聴。何を聴こう、と選んだのはこれ。 |
〜♪ 「!」 目を見張った(耳を聴き張った?)。 いやはや、やはり試聴は聴き慣れた音源で、精神的にもよいコンディションでやらんといかんですな。これはもうかつての音との違いが歴然、澄みきった空間に響き渡る深くも鮮烈なオルガンと、ひとりひとりの声が見えるかのようなコーラスに思わずのけぞってしまった。このCD、やっぱり音よかったんだ。 このCD以外でも、アコースティックな音が中心の素直な録音のCDでは、低ジッター化の効果が顕著に現れる。録音空間の暗騒音が伝わってくるし、録音に使われたテープのヒスノイズの質などもよく分かる。邪魔な音がはっきり聞こえることにメリットはないように思われるかもしれないが、そこまで聞こえるからこそ、音の消え際の微妙な表情も紛れてしまわないではっきり聞こえる訳だ。 |
CDの音には、これまでどこか底意地の悪さを感じるのが常だった。20万円以上のCDPならそこそこの音が出る、という説も耳にしたが、そこまでお金をかけないといけないというのは、そもそも根本的なところに問題がありそうに思えた。
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さらにイジッター 中川さんにこのページを見ていただいたところ、疑問点についての回答といくつかのアドバイスをいただくことができた。どうもありがとうございました。
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いただいたアドバイスなのだが、 1)整流ダイオードをあと1個、60V耐圧のSBDに換えるとよい とのことである。
1)については、実は電源トランスのすぐ傍に1個だけ、まだ交換していないダイオードが残っているのだ。半波整流で負電源を作るのに使われているのだが、たぶんFLディスプレイ用の電源を取っているものだと思う。
2)はMJで柴崎さんも書いていたことだ。耐水サンドペーパーは一部では「サウンドペーパー」とも呼ばれているほど音質に効果がある、とかなんとか。実は私も自作の楠DACの中に貼っていたりする。 これは単なるオマジナイという訳ではなく、一応の科学的根拠はあるようだ。 ということで、中川さんはSBDと一緒にサンドペーパーも送ってくださったのであった。 |
3) の接地面の小さな硬い足で3点支持するというスタイルは、今ではいろいろなメーカーの機器で普通に見られるようになったが、オリジナルは江川さんだろうか。さしあたりホームセンターで適当な袋ナットを買ってこよう。ちなみに、パワーアンプCERENATEの足も非磁性金属の袋ナットである。
再手術 それでは、再び開腹。もう手順は分かっているから作業はスムーズにできる。が、やっぱり面倒くさい構造だ。 まずはあと1個手を着けていなかったダイオードを交換する。セラミックコンデンサー群の間にあるこれね。 |
別段特に書き置くこともないので、細部は省略。ということで、1)はこれにて完了。
では、クロックのシールドに取りかかる。 |
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ただ単にペタリと銅箔テープを貼るだけというのもつまらないし、そもそもそのままではパーツの凸凹であまり奇麗には貼れそうにないので、ちょっと工夫してみた。 まずクッション性のある厚手の両面テープで、大きく出っ張った100uFコンデンサーを除いた部品面を覆い… |
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さらにサンドペーパーの切れ端を載せてみたところ。
だいぶ上面を平たくできたので、これならそこそこスムーズに銅箔で覆うことができ、同時に不要輻射も僅かに低減されるであろう、という訳。 ではあるが、「浅知恵」という言葉が頭をよぎらなくもない(^^;。 |
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これで上面を銅箔テープで覆ってしまう。裏面のほうはベタアースなのでシールドは不要だ。最後に銅箔にリード線をハンダ付けし、近くのグランドに落として出来上がり。 |
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出力端子周りの風景。ミューティング用のミニ形状トランジスタ群に囲まれて2本立っている電解コンデンサー、ルビコンの22uF/50V。信号はこれを通って送り出される。出力のピンジャックも値段なりでショボいが、コンデンサーも負けずにショボく見える。 とはいえ、こういうものは下手に換えるとかえって音のバランスを崩すことにもなりかねないので、他の改造のついでにやるべきことではない。が、やっぱりやってみたい、開けたり閉じたりが面倒臭い、だからここでやっちまおう、と作業をしているうちに思い切った、という訳だ。 だいぶ前のMJに、加銅氏がいろんなコンデンサーの歪みを測定した結果をレポートしていたことがあったが、スチコンやポリプロピレンフィルムコンと比べると、電解コンの歪みは桁違いに大きかった記憶がある。換えるならできればフィルムコンがいい。 というわけで、同じ電解コンでももう少しグレードアップできないか、という方向の改造となる訳だが、今回は、MUSE KZ 47uF/25Vを2個、無極性接続したものを試してみたい。 ということで、基板の穴の間隔に合う幅で電解コンの−側リードどうしが接近するように、すぐ目の前にあったティッシュの空き箱に、手元に用意していた両面テープで固定して… |
+側のリードどうしをなるべく大きな面積で接触するように沿わせておいてハンダ付け。 |
無極性KZの出来上がり。 実装は案の定いっぱいいっぱい、密集状態になってしまった。セパレーションの点ではあまり好ましくなさそうではあるが、ま、よしとする。 |
ところで、なぜにKZかというと、経験からその音質に信頼を置いているので、という訳ではなくて、まあMUSEのシリーズでは最上級品種だから、という安直な理由しかないのだが、とりあえず手持ちに買い置きがあったので。
さて、以上でハンダごては片づけて、2)のサ(ウ)ンドペーパーに移るとしよう。 中川さんの助言では、筺体カバー裏面に貼る、ということだったが、思いつきで基板を収納しているシャシー内の上下面にも貼ってはどうかと進言したところ、サンドペーパーが1枚増えた。 しかし、改めて見てみると下側シャシーの底面は真っ平らではなく、一部放熱穴も空いている。しょうがないので、小さく切って無理なく貼れる部分にだけ貼ることにした。 |
使われていないネジ穴や切り込みがいくつかある。旧型では意味があったのかもしれない。 |
上側シャシーのほうも凹凸があるが、こちらはさほどややこしい形状でもないので、サンドペーパーを適切に折り曲げることで大面積を連続的に貼ることができる。 ネジや構造部品の出っ張りをクリアするためにところどころ切り欠きを設けたが、目分量でテキトーにやっつけたのであまり美しい出来ではないなぁ、反省(--)。 |
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そして、カバー内側にも。フレキシブルケーブルがこすれそうなところは避けて貼る。 | |
まだサンドペーパーが余っていたので、リアパネル裏にも貼り、さらに残った切れ端をも有効活用すべく、シャシーの窪みの平坦な面にも整形して貼る。写真では見えないが、CD受けの下にも長方形の窪みがあるので、そこにも貼ってある。いささか悪ノリ気味。やり過ぎはよくない、かもしれない。 |
内部の施行はこれにて終了。あとは 3)袋ナットの足だ。 重たい電源トランスは、正面から見て左寄りの後ろ寄りにある。また、CDドライブユニットが後方左右いっぱい移動する。といったことから、重量バランス的には後ろ側2点、前側1点で支持するのが合理的ではあるが、シャシー下面の形状から困難であり、前2点、後ろはセンターからオフセットさせて1点、というのが現実的だ。まあこのほうが前面パネルの操作ボタンを押したときの安定性に関しては有利ではある。 袋ナットはステンレスのM6サイズを買って来た。が、ステンレスという材質はあまり好きではないので、いずれの変更の余地を残して、ひとまず瞬間接着剤は使わずいつものアセテートテープで留めることにする。 |
一応くっついた。が、やっぱりテープはみすぼらしいな。放熱孔からクロックの銅箔の色が少し見えている。床に置いてみると、まずまず安定しており、ナットの配置に関しては概ねよさそうだ。
要慣らし運転 以上、今回の「おイタ」はここまで。 一応聴いてみると、換えたばかりの出力コンデンサーのせいだろう、やはりちょっと細かい音の解像感と低音の深さがいまひとつ。電解は本調子を出すまでかなりエージングが必要なことが多いものだ。 のべ10数時間くらいエージングが進んだ頃からだいぶ音がこなれてきた。高いほうの音、たとえばシンバルの響きなどに、スムーズな伸びとともに質量感が加わったよう。低いほうの深々とした感じも戻って来た。結果は良好。ただ、同時比較ではないので確かではないが、オリジナルの見た目にはまったく凄そうではないルビコンの電解コンよりも圧倒的に優れている、というほどでもないかもしれない。
しかしまあ、改めて聴いてみても、目の前から「扇風機」が取り払われた効果には凄いものがある。我が家史上、最もローコストなプレーヤーから、最もよい音が出てしまったわけで。CD再生機の正しい在り方を追い求めるなら、優先的にお金をかけるべきところはどこかよく分かった。
そういえばだいぶ昔、レコードを聴いているときは脳波にα波が出るがCDでは出なかった、という研究結果があったようだ。このフィデリックス製クロックを積んだCDPだと、とてもアナログ的な音で気持ちよく音楽が聴けるのだが、もしかしたらα波が出ていたりして。どこかで測定してもらうことはできないものだろうか。このページを見ている脳科学者の人がおられましたら…、いないか。 |
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イジッターreturns フィデリックスの超低ジッタークロックは、その後正式な製品版として“PureRhythm”が発売された。試作品からの変更点は、3.3V電源への対応と、発振周波数の対応範囲拡大。上級モデルPureRhythm1のほうにはローノイズ安定化電源回路も組み込んだという。 私は「例のごとく」安いほうのPureRhythm2を購入し、これまでのクロックをこれに差し替えた。とりあえず、暫定的仮付け状態で、まだ銅箔のシールドも施していない。いずれ更なる工夫も加えて、ちゃんと施工し直す予定である。 |
そして、私のCDに対する認識を大きく変えてくれた初代超低ジッタークロック基板のほうは、別の新品PD-F25Aに組み込んで、殊更オーディオに凝ってはいないけれど耳の確かな音楽好きの親友Kさんに使ってもらうことになった。 そういうわけで、ここからはKさん用PD-F25Aの改造記である。
新しいPureRhythmと比べると、今となっては見た目に若干野暮ったい印象を受けそうな初代クロックだが、土台の基板本体はセリニティー電源の余白で作ったこということで、サイズからすれば分厚く質量・剛性があり、その点では最初からサイズなりの薄さに造られたPureRhythmよりもよさそうに思えたりもする。初代クロックは発表されているオシロスコープの写真に見る波形もマイルド傾向だし、案外初代のほうが音はよかったりして。なんてことも少し思ったが、やっぱり譲るのはお金がかかってないほう、か。初代のコストパフォーマンスは史上最強だろう。
クロック専用電源 さて、PD-F25Aに本体より高価なPureRhythm1を使うのはどうにも引っかかるので、2のほうを買ったわけだが、やはりクロックの電源の質を高めることの効果には興味が湧くのは抑えられない。この際自分でクロック専用電源を作ってしまおう。というのが、先に述べた「更なる工夫」の中身だ。せっかくだからKさん用のにも組み込むことにする。 クロック専用電源という意味ではなかったが、実は当初、金田式+5V電源を作って3端子レギュレーターを置き換えてしまうことを考えていたのだ。しかしよくよく考えてみると、金田式電源はあまり都合がよろしくないことに気がついた。 フィデリックスの「技術情報」のコーナーに、超高音質マイクアンプMA-8が紹介されている。かつて花王がDATのテープを発売していたことがあったが、その頃DATの高音質音楽ソフトも出していた。その録音に使われたのがこのMA-8で、録音の様子はMJの記事でも紹介されており、アンプともども中川さんの写真が掲載されていたのを憶えている。 |
原理は、基準電圧をそのままゲイン1のアンプで出力する、という単純なものである。 続くJ3,4およびQ2で構成される部分が「ゲイン1のアンプ」ということになるのだが、早い話がNchJFETとPNPトランジスターのインバーテッドダーリントン接続によるソースフォロワーである。J4はJ3の動作点を適切に設定する。これがないとJ3に流れるのはQ2のベース電流のぶんだけになるので、それでは電流が少なすぎる。というわけで、目的に応じてK117のランクを使い分けている。Q2には「ちょっとDC」的な趣味を出してA725なんて持ち出してみたり。 MA-8のファンタム電源部では、JFETの後にMOSFETがさらに2段続いていて、かなり出力インピーダンスが低くなっていそうだ。このTr1段だけの回路だと、シミュレーションしてみたところ、出力インピーダンスは230mΩくらいと出た。さほど低い訳でもないが、クロックの消費電流は7mA一定ということであるし、そもそもクロックの給電部にRCフィルタが入っているわけだから、これで十分だろう。というより、実はもう1段増やした回路をシミュレーションしてもみたのだが、出力に超高周波の発振が乗ってしまう。実物を作ったとしても、私ごときのウデでは御しきれない可能性があると判断して、そそくさと撤退したというのがホントのところ。 2.2MΩは、無負荷状態では出力電圧がほぼ入力電圧近くに張り付いてしまうので、それを防ぐために入れたブリーダー抵抗である。なくても問題ないかもしれないが、一応入れておくことにした。これで負荷を外したときの出力電圧は5.3Vあたりに抑えられる。 給電部側に入れられたQ1はリップルフィルターである。ここはなくても定電圧電源回路として問題はないと思うが、簡単な回路であるし、どうせなら念には念を入れよう、ということで追加することにしたものだ。あえて貴重な2SC1400を投入。しみったれの私向きの兄弟石2SC1399にしないのは、もちろんあくまでローノイズが主眼だから。 入力側の+VccとGNDは、CDPの正電源の大元の電解コンデンサーの足に繋ぐ。このGNDラインは、リップルフィルターで濾し取られるリップル分だけを直接電源基部に戻してしまい、できる限り基板上のGNDラインを汚さないように配慮したものである(考えすぎ?)。出力側のDGNDはクロック注入部近くのデジタル部GNDに落とす。
既に「近況」でもちらりとお見せしているが、これが出来上がったクロック専用電源である。 |
サイズは19×33mm。1/10インチピッチの基板で、7穴×13穴のスペースに全部のパーツが乗った。裏面はもちろんいつもの金田式7本撚り線での配線である。面実装パーツばかりで構成されたフィデリックスのクロック基板を見慣れてしまった今となっては、いにしえの蒸気機関車の趣さえ感じてしまう外観ではあるなあ(^^;。 2個の47uFと出力の10uFは部品箱に眠っていたOS-CONである。昔DACを作ったときの残りだ。抵抗は進のRE35とRE15。 006P電池で給電し、仮の負荷に620Ωを繋いでVRを調整して、出力をきちんと5.00Vにできた。そのままヘアードライヤーの温風をあててみたところ、4.97Vまで下がった。どうやら基準電圧発生用の電流がQポイントからはほんの少しずれていそうだが、0.6%の変動、この程度なら実用上はまったく問題なしだろう。
実装する 某所にて定価の半額で調達できた真新しいPD-F25Aに、初代クロックともどもインストール。クロック基板だけのときは、配線の容易さからメイン基板の裏側に実装したのだったが、今回の電源はけっこうかさばるので、基板裏に収めるのは高さがちょっと苦しい。よって、空間に余裕のある表側に据え付けることにした。 クロック、電源基板ともに、ゴムベースの厚手の両面テープで空いたスペースに張り付ける。 |
電源とクロック基板の接続には、電源の基板を切り出したときに出た端材を中継基板として利用した。サポート用のネジ穴が開いているのがなんとなく虚しかったので、そこをクロック信号の配線がくぐるように設置してみたのだけれど、機能的な意味はまったくないですね(^^;。 このほか、整流ダイオードももちろんお約束のSBDに交換済み。ブリッジの正側に前回と同じ日本インター11EQS04、電流の少ない負側のほうは気まぐれで品種を違えて0.6A品の富士電機ERA82-004を使ってみた。1本だけの半波整流負電源用には11EQS06。あと、シャシー内サ(ウ)ンドペーパーも施工している。2度目なので、耐水ペーパーの切り方も少しばかり要領が良くなった。 |
聴いてみる 改造前に、オリジナルのPD-F25Aの音はどんなだったか確認しておこうと聴いてみたが、初めて聴いたとき「なかなか悪くないんじゃ?」と思ったあの感覚はどこへやら、低ジッタークロック換装版と比べてあまりの落差にズッコケた。なんともざらついて見通しの利かない冴えない音なのだ。もうすっかり耳が改造されてしまったみたい。 では、クロック専用電源の効果はどうだろう。はたして聴いて分かるほどのものかどうか、とも思わないではなかったが、ワハハ、一聴しただけで明らかじゃん! 大成功。音の背景がいっそうクリアになり、楽音のデリケートなニュアンスの生まれる瞬間が、消え入り際が、はっきりしっかりとことん伝わってくるではないか。こりゃ自分用のも早いとこクロック専用電源を乗っけてやらにゃあ。 ただ、まだ新品状態だからかもしれないが、何か音の表情がやや単調に聞こえる。音に、明確にそれと意識されない程度の微妙な癖のようなものが付きまとっているように感じられる気もする。解像感の向上具合からしてクロックが原因とは考えにくいから、おそらくこれは出力のコンデンサーのせいだろう。オリジナルのままでも十分と考えてそのままだったのだが、ここは少し考慮の余地がありそうだ。MUSE KZを無極性接続にしたものに換えてそこそこの時間鳴らしこんだ私のCDPを聴いた後だと、解像度はともかく、音色表現の豊かさに関してはいまひとつ平板な印象が拭えない。
やっぱり換えよう Kさんには初め「出力コンデンサーはそのままでいいですね」と言っていたのだが、一度聴いて違いを感じてしまったら、やっぱりこのまま引き渡すのもすっきりしないので、改めて交換を提案した。 |
今は無きブラックゲートにもバイポーラ型のNやNXというタイプがあったが、ジェルマックスではこれらの無極性電解コンデンサーをより効果的に使用する方法として、「超電解接続」という接続法を紹介していた。 ブラックゲートはもうなくなってしまったが、あの超電解接続を(それほど積極的でもなく、ではあったが)いっぺんやってみたいなあと思っていたことを思い出した。それなら今回、MUSE ESの10uF2個でやってみようじゃないか、という訳だ。もっとも、他のコンデンサーでやっても「超電解」は名乗れない。 リードを切ってしまうとどっちがどっちだったか分からなくなってしまうので、あらかじめリードが長いほうにマーキング。これで、リードを切っても間違うことがない。2個並べて基板の穴に突っ込むのは苦しいので、1個は基板裏に配線する。 |
ついでに、電源の整流ブリッジ負側に使われていたSMG16V/330uFを、部品箱にあったMUSE FXの16V/470uFに交換した。これだけですごくよくなるというまでの期待はないが、少し気分はよい。 |
さて、音はどうか。…あれ、妙におとなしい音。が、よく聴くと荒さのない品の良い音だ。新品ケミコンを通電開始直後に軽々に判断するのはまずいので、しばらく鳴らし込むことに。
仕上げ さて、この時点では本体カバー裏にサンドペーパーを貼るのがまだだった。最後の仕上げにカバー裏にも貼るとしよう。 無理なく貼れるところはほぼ全て貼ってしまい、これで私のとほぼ同仕様だ。ところが今回は、音がくっきりはしたのだけれど、妙にどぎつくなって、あの深々とした空気感が失せてしまった。出力コンデンサーのエージングが進むには急すぎだし、そもそも傾向が変わり過ぎである。サンドペーパーのせいとしか考えられない。 というわけで、カバーの天井に貼ったやつと側面の片側を剥がしてみた。カバー内に貼ったサンドペーパーの面積は、およそ半分ほどに減った。 |
PD-F25A改をKさんに送ってほどなく、Kさんから感想のメールが届いた。もちろん音のよさへの驚きと喜びの声。そして1日置いて、もう一度駄目押しの感嘆メール。思っていた以上に気に入ってもらえたようだった。 最初は「うん?」。やがてファンファーレが鳴り、コーラスが始まると、動けなくなってしまった。ひとつひとつの音が左から右まで、手前から奥まで、びっしりと、しかし重ならずに音場を埋め尽くしている。こんな経験は音の良いホールで実演を聴いたときならあったけど、自宅のステレオでは初めて。 「鼻歌」がおそろしく生々しい。幽霊みたいと思っていたのに、こりゃ生身の人間だ。 コルボのフォーレ/レクイエム。椅子のきしむ音、足音、譜面をめくる音らしいものがこんなに入っているとは! といった調子で、聴いてみたいろいろなCDについての感想が書かれていた。まとめの意味で、最後に次の文を挙げておこう。 何を聴いてもスッと抜けが良くて、ひとつひとつの音が濁らずくっきり聴こえるのは驚くばかりです。だから小さな音が大きな音に埋もれない。小さな音はひそやかに。深々した低音。「産毛」の見える高音。 というわけで、Kさんにも超低ジッタークロックの威力を実感していただけたようだ。オーディオ遊びで誰かに喜ばれることなど滅多にないので、私としても非常に嬉しい。 ま、これも中川クロックあったればこそですな(^^)。
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さて、遅ればせながら私のPD-F25Aにもクロック専用電源を載せることにした。回路は基本的に前のと同じで基板の形も同じだが、パーツが少し異なり、基板上の配置も僅かに変更している。OSコンの容量がちょっと大きくなり、基準電圧生成用の抵抗は10kΩのネオポットと直列に6.2kΩのRE55。そして、Q1,2には金田石をやめて別府石2SC1844/2SA991を起用してみた。これらもローノイズ用途を謳っている品種だから適性はあるだろう。ま、同じことをくり返すのはつまらなく感じてしまう性格、という訳です。 |
出力電圧は4.80Vに調整した。PureRhythm2は低い電圧でも動作するし、波形も初代超低ジッタークロックより元気がよろしい(?)ようなので、たぶんこれで受け取る側のスレッショルドレベルに対して必要十分だろう、というつもりなのだが、はたして良いことかどうかは正直よく分からない。ま、升目いっぱいに字を書かないで少し余白を残す性格、という訳です。 メイン基板への実装方法も、中継用の切れ端基板の形が少し違うだけで前回と同様、クロックともども表側に装着した。
それにしても、このコストでこんな音が出てしまっていいのだろうか。これがあたりまえになってしまうことがはたして将来的にオーディオの「趣味性」にとってよいのかどうか…と、実のところ複雑な気持ちになってきてもいる。こんなページを作っておいて矛盾しているようだが、この技術、あまり広まらないほうが吉なのかも? |
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イジッター最終章(?) フィデリックスの例のレギュレーターが販売開始となった。となれば、言わずもがな、予定どおり行動開始(^^)。 |
LZN7805という品番が一応あるようだけれど、あまり周知はされていなさそうだ。Lは低、Zはインピーダンス、Nはノイズの意味でしょう。FIDELIXのサイトの写真に見られるものとは若干パーツの配置など変更されているようだ。 ずっと前に鈴蘭堂で買った放熱器に取り付け、基板には両面テーブで貼付けて装着した。発熱は少なく特に放熱の必要もなさそうだったが、足が細いので固定がしっかりできるのは安心感がある。 |
オペアンプも交換 PD-F25Aの信号の送り出しにはSOPパッケージのオペアンプが使われている。オーディオ用としてはごくポピュラーな4558なのだが、中川さんによれば、これをFET入力のものに交換するのが吉、と。レギュレーターの交換で改造は完了、と思っていたのだったが、これもやってみるしかなかろう。 ということは、ひとまず付いていたオペアンプを取り除かねばならない。 |
某所で調達したヘッドルーペ。千円ちょっとの安物だが、十分実用になる。ヘッドバンドの額に当たる部分に巻いた野暮ったいティッシュは汗対策である。
これで装備は必要十分だが、実際に面実装部品を外すという作業は下手にやるとランドを傷めそうでなかなかコワいものがある。前にチップコンを外したときに、少々無理矢理な感じになってごく少しだったがランドを剥がしてしまった経験から、ハンダを取り除くという発想ではダメだということが分かった。 基板を立てた状態でこれをやってみると、はたしてオペアンプは自重でホロリとランドからずれて外れた。ランドを傷めることも一切なく、あっけなく終了。 |
オペアンプが去ったあとはこんな具合。ランドのハンダの残りは吸い取り線で取り除き、周辺に広がった吸い取り線のフラックスもエタノールで拭き取った。 |
さて、差し替えるオペアンプに何を使うかだが、真空管で自作を始め、それからトランジスタに移って行った身としては、そもそもオペアンプというのは馴染みがない(ターンテーブル制御アンプでは使っているけれど)。よって、どのオペアンプがどんな音がしそうだというような経験的なものが全然ないのだが、参考にしようとWeb上の音の評価を調べてみても、書いてあることがかなりまちまちで、ほとんど参考にならない。 |
のであるが、ひとまず試したこちらはJRCのNJM082。これも悪くないので聴いてみて、ということでオマケしてもらったものだ。ポピュラーで安価なFET入力オペアンプだが、なるほど、なかなか素直で癖のない音を聴かせてくれる。深みや陰影といった面でちょっと浅い印象があるが、すっきりして嫌みのない音はオペアンプ界のAT-F3、といったところですかね。 ならば、こっちはどうか。 |
ということで、本命のμPC814であるが、やっぱり音は変わるものですね。
さて、レギュレーター交換の効果についてまだ書いていなかった。クロック以外の全ての5V系はこれまで「普通の」3端子レギュレーターから給電されていたわけだが、フィデリックスLZN7805の威力は明らかだった。まあどうせよくなるだろうとは思っていたのだが、実際そのとおりで、空間はいよいよ澄み渡り、よりデリケートな表情が聞き取れるようになってきた。オペアンプの交換と相俟って、PD-F25Aの音はまた一段とレベルアップしている。レコードはもう要らない、ということにはならないけれど、アナログを超えている部分があることは認めざるを得ないなあ。 |
その後 思うところあって、再度、出力コンデンサーを交換した。今度はFine Gold(以下“FG”)。やはりMUSEシリーズの、これは上から2番目のグレードになる。 「思うところ」というのは、中川さんがFIDELIXの新しいDAC“CAPRICE”に採用したのがどうやらMUSE FGであるらしいのと、今ひとつは、最近またアンプ作りを再開した別府さんが「よいケミコンがない」と言いつつ使っているのがやはりそのFGであったこと。私は、この人たちはとても耳が良い(もしくは私の音の嗜好がこの人たちと近そう)と思っているので、この人たちが使うとなれば、これはやはりどうしても試してみたくなってくる。 ということで、前と同じように無極性接続としたFGを基板に載っけた。 |
今度は容量はちょっと大きめにしてシリーズ合成で50uFだ。発注したショップの在庫の関係で耐圧も50Vと高くなった。結果、サイズが大きくなったうえ、FGのリード線はKZより細く、自立させるのは振動面を考えるとあまり得策と思えなかったので、寝かせてスポンジ両面テープで基板に固定した。 ところで、少し小さいFGが2本立っているのが見える。これはオペアンプのパスコンとして取り付けたもので、オリジナルには無かったものだ。 さて、その音だが、はたしてけっこうな違いが現れた。高音域のスムーズさが特に印象的だ。きれいに伸びて聞こえるようになり、シンバルにスティックが当たるときのニュアンスなどがよく分かる。KZではここまでの表情は描ききれていなかった。
表現力の向上には、増設したパスコンがかなり貢献しているような気がするので、出力コンデンサーはFGに決めて、パスコンに他のものを試してみることにした。 とりあえずは手持ちにあるもの、ということで、MUSE ESはどうだろうか。 ま、ともあれ手持ちのES10uFは35V品なので、ここには十分使用可能である。というわけで、ひとまず交換。 |
聴いてみると、交換してすぐはそこそこ悪くない印象であったものの、日が経つにつれて高音に何となく詰まった感じが出てきた。普通はエージングでよりよくなってくるものだが、どうも逆に進んでいる感じ…やはりメーカーも推奨していないことはしないほうがよい、か。
ということで、ESのパスコン使用には早々に見切りをつけることに。となれば、もっと容量の大きいFGを新規調達するか、あるいは手持ちで考えるなら…そうだ、出力コンに使っていたKZの47uFをパスコンのほうに持ってくれば低音の表現力を取り戻せる可能性がある。案外いい考えかも。 同容量の中では他よりも大きいKZ、サイズの点で実装はちょっと難ありだったが、リードを斜めにしてなんとか見栄えよく取り付けた。 |
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ここまでに触れていなかったけれど、TOSリンクモジュールも将来に備え50Mb/s品に交換してある。
さて、そんなようなことをして遊んでいるうちに、いよいよやって来ましたよ、CAPRICE。 |
PD-F25A改のアナログ出力の音で十分満足していたのだけれど、これを通して聴くCDの音は、情報量にしろ表現力にしろ、その更に上を行く。まあ「予想どおり」である訳ですが、いやあ、本当にもう言うことないですなあ(^^)。 ということで、ジッターをいじった話は、これにて完結(たぶん)。 |