ごくささやかなスピーカー歴 |
私はオーディオ機器を自作し、それで音楽を聴くことを趣味としている。が、スピーカーシステムの製作はちょっと苦手だ。木工があまり得意ではなく綺麗に作る自信がないこともあるが、そもそもアンプなどと違っていったん作ったらなかなか修正ができるものではないし、予備実験として試しに作ってみることもままならない。物が大きいだけに、試作品がゴロゴロ…などといった状況は願い下げである。 | |
広告やカタログの情報のみから想像をふくらませていただけの時代からラジカセ時代を経て、私の「自作オーディオ歴」といえそうなものがP610DBで始まった。最初に作ったエンクロージャーはあまりよくなかった。板をケチって小さめの箱にしたのが原因だ。昔からしみったれだったのだ。この箱は後にCDM-1用のスピーカースタンドになった。 その後、衝立型に興味が湧いて、平面バッフルをこしらえた。ユニットは一つ昔のP610Bに換えた。後でトゥイーターTW503を追加して、けっこう長い間使っていた。(この平面バッフルは今も納屋の肥やしになっている。こんなのが増えて行っても困るな…と思ってSPの自作は控えることにした、というわけ。) |
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その後住環境が変わって、平面バッフルを部屋に置くとちょっと圧迫感を感じるという状況になった。以来スピーカーに関しては長らく市販システムに甘んじ続けることになる。 一時しのぎにソニーのMU-S401なんていうちっぽけなスピーカーを使っていたことがあった。ボーズ101のような形状の2ウェイスピーカーだ。もちろん(失礼)大した音はしない。 |
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そこで、ネットワークを改造した。オリジナルは12dB/octのものだが、コイルはフェライトコア入りで、見るからにローコスト。フォステクスの空芯コイルと双信V2Aを使ってハイパス12dB/oct、ローパス6dB/octのネットワークを作ってそっくり置き換えたら、俄然鮮やかな音に変貌した。安いスピーカーでもネットワークのパーツ次第ではけっこういい音が出るものだ。気を良くしてしばらく聞いていた。
今はまだ仮の姿、いずれは「これしかない!」と思えるようなスピーカーを手に入れよう、と思うものの、さしあたりそこまでのものは見つかっていない。とはいっても、やはり小さすぎるスピーカーでは満足感がない。 |
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仮の姿にしても、もう少しなんとかしたい、ということで、それほど高価に過ぎない手頃なサイズのスピーカーの中でけっこう評判がよろしいようだった、B&WのCDM-1というスピーカーを購入した。 今どきのスピーカー故、そこそこレンジは広いけれど、能率は高くない。が、その割には鳴りのよい感じがあり、そう大きな不満もなく音楽を楽しむことができた。途中、またネットワーク改造のためのパーツを手配したりもしたが、実際に手をつけることもなく、そのまま長い時間が過ぎた。 が、自作派を自認する者の端くれとしては、やっぱり入り口から出口まで自分の手が入ったシステムで揃えたいという欲求がずっと底流にあったわけで。 |
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で、こうなった、と。 | |
この後どうなるか… |