周辺のモノども

磁気処理スクアラン「トライボル」

 トライボルというのは、この“磁気処理スクアラン”が市場に出現したばかりのときのネーミング。すぐに「TR-30」という名で売られるようになったはずだ。いち早く飛びついて3本買って、1本は当時乗っていた車のエンジンに入れ、あと2本がまだ残っている。接点磨きや潤滑に使っても、そんなに減るもんではないのだった。もちろん大変安定な物質ということなので、もう10年以上も経っているけれど、変色もないし、たぶん変質はしていないと思う。化粧品にも使われているくらいだから、皮膚についても心配ないのがありがたい。
 接点磨きの効果はバッチリ。これ以前には「エレクトロルーブ」なる接点安定剤を使っていたが、これはスクアランと較べるとかなりくぐもった音になる。そのぶん粗っぽい音が静まるので、にぎやかな傾向のアンプにはいいだろう。スクアランのほうがストレートに近い印象。
 ジャックやプラグ、真空管の足ピンやソケットを、ときどきこれで磨いている。ただ、真空管の足ピンを磨くときには、管壁のプリントにスクアランが付着しないよう気をつけたほうがよい。つまり、スクアランの着いた手では真空管は触らないことだ。汚れ落とし効果抜群で、あの白いプリントがたちまち剥げてしまう。< TELE FUN KEN >なんてあっても、ほんとにあっという間に落ちてしまうのですよ。

 潤滑油としても使ってみた。SP-10のモーターに使った印象では、自然で滑らか、クリアな感じ。といっても、古いオイルのままの状態の音を聞いていないので比較のしようはないんだけれど。潤滑効果はなかなかよさそう。クルマに入れたときは量が少なかったせいか、気のせい以上の効果は感じられなかった。



チタンオーディオオイル「Ti-103」

 SP-10のスピンドルオイルはしばらく上記のスクアランにしていたのだったが、それを和光テクニカルTi-103に換えてみた。チタンの潤滑能力を試してみたかったというわけ。そんな違うかな、と思ったけれど、けっこう違うものです。Ti-103だと、より音の粒が立つ感じ。ザックザクと切れ込むような感じがある。スクアランを基準にすれば、クセがあるということになるかもしれない。でもこちらを基準にすれば、スクアランはやや消極的ということになるだろう。どっちが正しいかは分からない。要は相性。で、これはこれでいい音なので、スクアランに戻す必要も感じない。とりあえず当分はこのままTi-103でいくことにした次第。


自作テーブルタップ

 オーディオ用のテーブルタップというのはずいぶん高価なものですね。オーディオテクニカの記念モデルなんて、見るといいなあと思う。でもケーブルも一緒に買えばすごい値段だ。電線系統にこの出費は、私には許せない。他のもんを買うぞ。
 というわけで、自分で作ってみました。これ、電気工事の人が臨時仮設用として使う松下電工のコンセント。用途が特殊なので、大きいホームセンターならどこにでもある、というものではないみたいだが、全然高価なものではない。しかし、電極がきれいな銅の色をしている。なんか電気を自然に通しそうな色に見えるじゃありませんか、無知の勘違いかもしれんけど。買う気にさせたのはこの色です。純銅のはずはないから銅合金なんだろうけど、なんでしょう、この材質。

 接続するケーブルは屋内配線用の1.6mmもしくは2mm径の単線専用。なにしろ臨時仮設用なので、レバーを押して皮を剥いた線を差し込むだけのワンタッチ接続。こんなんで大丈夫かと思うけれど、ちょっとやそっと引っ張っても抜けない。さすが工事用、それなりに実用的な信頼性はあるんだね。
 エアコン等配線用という1.6mmのケーブルを買ってきて、作ってみました。2mmのケーブルのほうがよさそうな気もしたけれど、店頭で曲げてみたら硬すぎたのでパス。
 接続箇所の少なさでは、オーディオテクニカの高級品より有利、なはずなので気分がよろしい。で、音はどうか。CDP-X5000の電源プラグは3Pなので、普通のコンセントには付属の3P→2Pのアダプターを介して差し込んでいたのですが、このタップには直に挿せる。すると、ああ、心なしか音があざやかになったような…気分的なものかもしれませんが、まあ気分が大事ですからね、こういうのは。
 総費用数百円、抜群のコストパフォーマンスだ。そのうちもう1個連結したうえで角材の台木を付けて、もうちょっと座りをよくするつもり。



「ヲヂラ」改(AM専用システム)

「ヲヂラ」って、いわゆる電子工作をホビーとする方々はよく知っているでしょう、C's kitのシリーズにある簡単なAMラジオです。私はあんまりそういうものは買わないのですが、こやつはカタチがなかなか面白かったので、ちょいと遊びで買って作ってみました。で、ついでに、ブラックゲートコンデンサーの広告に小さなポータブルのラジオをBG化したら音が激変した、という話が載ったことがありますが、それを思い出してもうひと遊びしてみたというわけ。
 安い小型・低耐圧のBGと、OSコン、あと出力コンデンサにマルコンのBPケミコンとかもとりまぜて、ケミコンを総入れ替え。ついでに、周りをケント紙で囲んで、平面バッフルから後面開放箱に変身。

結果、こんなチャチなラジオでも俄然音ヌケがよくなった。だからってこれで音楽鑑賞というわけでもありませんが…クルマ好きなんかでもよくいますね、結果が必要なわけではないけれど、チューンアップそのものが目的になっているという人…。



FM専用システム?

 しょうもないものをもうひとつ。ラジオはまじめに聞かないしな、というわけで、ちゃんとしたオーディオのソースとしては扱っていません。ちょっと古いバリコン式のチューナーなら、少し欲しい気持ちもあるけれど、場所取るし、山あいの私の家では感度が悪くてステレオだときれいに入らない…。で、ホームセンターで買ったユアサブランドの中国製ポケットラジオ。これでモノラルで聞いてる、というか聞き流しているというわけ。
 聞いてみると、姿形から想像されるよりはずっとワイドレンジな音がスピーカーから出てくるので意外だった。といっても、もちろんオーディオのレベルではありませんが。

 立てて置きたいこともあって、たわむれに、紙製ホーンを貼り付けてみました。そこらにころがっていたネピアの空き箱で作ったの(^^)。こんなものでも、軽々しかった音にもいくらか質量が付加されて、離れて聞いてもちゃんと音が飛んでくる感じがします。垂れている線はアンテナ。この手のラジオはイヤホンのケーブルをFMのアンテナに利用していて、出力ジャックのアースでもL・Rホットでもどこでもいいから繋げばアンテナになります。



バランスウォッシャー33

 遅ればせながら買った、かの有名なレイカのレコードクリーナー。愛用者も多いのでは?
 御存知ない方のために使い方を説明すると、まず汚れ落とし用のA液を盤面にポタポタたらし、専用のクロス“ビスコ33”で全体に伸ばして拭き上げる。ビスコ33は糸くずの出ない特殊なコットンの布で、適度に毛羽立っていて音溝の奥まで繊維が届く(のだそうですが、見たことはありません(^^;)。その後、B液で同様にして拭いて仕上げる、というもの。
 A液がシャンプーでB液がリンス、かどうかは分からないが、使った感触はたしかにA液は界面活性剤っぽい。B液はほとんど水に近い感じ(けどまさか水じゃないだろうね(^^;、成分表示はないが…)。

 程度のよろしくない中古レコードや、長く聞かなかったので少し黴が生えた手持ちのレコードを復活させるのに重宝しているが、使い方にはいささかコツがあるようだ。A液はあまりケチらず用い、拭き上げるときは乾かないうちにやること。そして音溝に液が残らないように。まだ液がびちゃびちゃの状態では拭いた後にも液が残るので、生乾き寸前にしっかり拭き上げるのがよいようだ。
 見た目はピカピカになるものの、かえってボツボツノイズが増えてしまう、という人もいるようですが、おそらくこのあたりのことが原因かと。

 専用クロスのビスコ33はけっこう高価だが、市販の化粧用コットンパフが代わりに使えるという話もあるようなので試してみた。が、結論は、代用にはならない、だ。リントフリー(糸くずなし)なのはいいけど、繊維の毛足が短すぎで音溝のクリーニング液を充分に拭き取れないようだ。盤面全体に液を伸ばすのには使えるが、拭き上げるのにはビスコ33が必須と見た。
 レコードを拭き終えた後のクリーナー液で湿ったビスコ33は、ゴム・プラスチック製品を拭くのに使えそう。私はAT666のゴムエッジをこれで拭いている。ケーブルの被覆なんかを拭くのにもいいかも。ケーブルって、けっこう汚れているんですよね。でも、ケーブル用のクリーナーも出ているので、趣味で(?)ケチをやっている人以外にはそちらのほうをお勧めしておいたほうが無難かな(^^;。



キッチンアクアショット

 「アルカリ電解水」である。電気分解でイオン化傾向を偏らせ、水酸化ナトリウム0.18%溶液と同等のPH値を持たせた、あくまで「水」。ということは、他の物質が溶けているんではないわけだ。台所周辺の清掃に使うのが本来の用途だけれど、使った後に残留物が残らないため、オーディオ関連で何かと便利に使っている。
 よっぽど汚れのひどい中古レコードなどは、レイカのクリーナーを使う前にまずこれでひととおり拭き上げると具合がよろしい。また、レコードのジャケットの汚れを落とすのにも重宝している。私のところではこの使い方が最も頻度が高い。

 他に、ケーブル類の汚れ落としにも効果満点だ。中古機器を入手すると、私の場合まず本体よりも電源ケーブルなどをクリーニングすることに注力するのが常である。本体は気を遣って奇麗にしてあっても、ケーブルにまでは気が回っていなくて凄まじく汚れていることが多い。アクアショットをティッシュに吹いてケーブルをしごくと、大抵あっという間にティッシュが真っ黒になってギョッとする。下の写真は中古で入手したフォノケーブルだが、アクアショットで濡らしたティッシュでちょっと拭いてみたところだ。案の定きったねーのなんの、という様子はティッシュをご覧になってお判りでしょう。