水波霊魂学

たましいの帰り道
霊魂の館
水波霊魂学早わかり

第十六章

          
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インチキ霊能力者を退治するために、インターネットで霊能者の評判を匿名で掲載する、という考え方があるそうです。そうした方法は有効ですか?

よほど慎重に考えませんと、難しいと思います。

書き込みが匿名の場合は、全く事実でない事、あるいは大げさな事も、書く人が出てしまいます。

また、ある程度事実であっても、霊能力者の方に事情を聞きますと、善悪がひっくり返る、というケースも少なからずあるでしょう。

最近はいろいろなものの評判をインターネットで知ることができますが、霊能力者も同じようにできないでしょうか?

電化製品の評判であれば、誰でも大体の想像はつくでしょうが、霊能力者にどう言われたか、というような事は、実際には誰にもわからないでしょう。

実際には、依頼者の誤解であったり、思い違いであったというケースも有り得ます。

一方的に依頼者の書き込みのみを掲載するとなりますと、単なる誹謗中傷になってしまう恐れがあります。その場合は、名誉棄損、および損害賠償の対象になる恐れも考えなければなりません。

電化製品や車のような『物』とは違いますから、霊能者の場合は、その名誉を考えねばならないということですね?

はい、そうですが、そうなりますと、霊能力者から削除要請があれば管理者が削除する、ということになります。

ですが、中には実際に詐欺による被害にあった報告もあるでしょう。そうなりますと、霊能力者から削除要請があるたびに削除してしまいますと、サイトの意味がなくなってしまいます。詐欺が減らなくなります。

ですから、削除ばかりはしていられません。

かといって、決して削除しないと言うのでは、単なる誹謗中傷をも霊能力者の方の氏名入りで掲載し続けてしまう事になります。それでは、霊能力者個人の方に対してサイト管理者も名誉棄損になると思われます。第一、そのサイト自体の信用が落ちてしまい、サイトの意味がなくなってしまいます。

では、そうしたサイトは無意味だということですか?

そうではありません。

難しい事ですが、単なる誹謗中傷、不適切な表現、そうしたものを削除し、信憑性があるものに関しては、書かれた側の霊能力者の方にも言い分を発表する機会があるようにすればよいのではないかと思います。

その場合は、書かれた霊能力者の方も大勢の依頼の中のどの件であるのかがわからないと反論しようがありませんので、霊能力者の方には書いた方の責任として実名や相談日時などをお伝えする必要があると思われます。

ごく普通の社会常識を踏まえ、個々の人の人権や名誉を尊重するという視点があれば良いのではないかと思います。

電化製品の評判であれば、性能の良し悪しを判断する基準になります。ですが、霊能力者の場合は、その判断基準があまりにも主観的になってしまいます。結局、そうした情報は当てにならないということですか?

実際には、明確な詐欺もありますが、詐欺と合法の境を見極めるのが難しかったり、依頼者の一方的な見解であったり、悪意を持つ誹謗中傷であったりもします。

ですから、そうしたサイトを開設する場合は、それが民事訴訟や刑事訴訟にも発展しかねない一大事であるという認識を持って行なわなければなりません。法律の知識も必要ではないかと思われます。

実際のところ、サイトを開設することも、運営することも、かなり難しいのではないかと思われます。


では、詐欺をきちんと報告して相手の霊能力者の反論も掲載し、論破できれば良いのではないでしょうか?

そうですね。相手方の霊能力者に連絡し、双方で言論を戦わせればよいと思います。お互いに自分に有利な主張をするでしょうが、裁判ではありませんので、霊能力者の良し悪しを判断するためには良いかもしれません。

実際、こちらのサイトでは他のサイトに盗用されたこともあります。ですが、本名、所在等がなかなか判明しませんので、法律上の問題にはなりにくい面があります。そうした場合、相手が共通の土俵に乗ってくれれば、公平に議論することも出来ます。

ですから、時間と労力を惜しまない人は、そのような公平で正義感あふれるサイトを作られるのも良いかもしれません。


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