3丁目

1番地





 
 私たち人間は気が付くと頻繁に怒っています。主婦であれば子供が勉強しないといってはイライラし、会社員であれば、部下が思いどおりに働かないとか、上司が良くないとか、取引先が横暴だとか、はたまた、道路が混んでいるというだけで無性にイライラしています。

 学生も老人も子供も、日本全国、隅から隅まで、怒りの思いは絶えません。

 では、私たちはどうしてこんなに、毎日毎日怒ってばかりいるのでしょうか。

 自分の事を考えてみました。

 たとえば、道路が混んでいると予定の時間に着けません。そうなると、高速道路の料金にさえ腹が立って来たりします。つまり、私は自分の理想や考えと現実とが不一致になった時、怒っているのでした。

 同じように道路が混んでいても、予定の時間に余裕がある時ならそれほど気にはならないでしょう。

 たとえば、朝、小さい子供を学校に送り出す親の多くは、子供が早く支度をしてくれないと言っては、イライラして怒っているのではないでしょうか。子供にしてみれば、いつもと同じようにのんびりしていても、たまたま時間に余裕のある日は怒られないで済むのです。

 やっぱり、私たちは自分で立てた予定や決まり事に合わせる為に怒ることが多くなっているのではないでしょうか。

 ということは、現代のような忙しい社会に生きていると、のんびりした社会に生きる人たちよりも余計に腹を立てているという事になります。

 腹を立てると健康に良くないと言われています。そういう意味では現代人は不健康な暮らしをしているのかもしれません。

 現代に生きる限り、多少のイライラは仕方がないと思います。ですが、だからこそ、ただ、世の中に流されていると怒ってばかりになってしまいます。

 私は時々、自分の人生について考えてます。人生の中で何が重要で何がどうでも良いのか、それを考えてみると、どうでも良いことには腹も立たなくなるように思いました。


[ 戻る ]