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親と子は血の繋がりという深い絆で結ばれています。
この血の繋がりですが、どれほど強いのかは、人によって随分と違うように思えます。そして、親にとっての子供の存在も、人によって様々なのだと思いました。
たとえば、こんなことがありました。
ある小学生のお母さんは、自分の子供が学校に行っている間は家で主婦をしていました。
それなのに、他の人には働きに行っているようなふりをしていたそうです。どうしてかと聞くと、何と、その人の住む地域では、共稼ぎが当たり前で、家にいると世間体が悪いから、というのでした。
このように世間体を気にするお母さんが、子供の事になると変身するのでした。 世間が何と言おうと、子供を出世させるためならば手段を選ばないのだそうです。
ところが、そんなお母さんにも転機がやって来ました。いつの頃からか、子供が学校にさえろくに行かなくなってしまったのでした。
そのお母さんはこう呟かれたそうです。
「何のために育てたのやら。」
私はその時思いました。
(このお母さんの中では、子供はいつの間にか、世間を見返すための道具になっていたのかもしれない・・・。)
その後、子供が反抗するたびに、そのお母さんは言うのです。
「何でこんな子供になったんだろう。どうしても分からない。」と。
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