心の鏡
3.心の安定 (01.06.04)

よく心を安らかにして暮らすことが良いことだと言われます。それが修行だと考える方もいるようです。そうであるとすれば、仮に、自分のまわりに差別を受けたり、暴力を受けたりして苦しんでいる人がいても、心を揺らさず、平然としていなければならないことになります。

それが本当に良いことなのでしょうか。

もちろん、不必要に心を揺らしてばかりいては、ストレスも溜まりますし、心身に悪いことは確かでしょう。ですが、まわりでどんなに不正や悪行が行なわれていても平然として心を痛めないのとは少し違うように思えます。

真の安心とは何なのでしょうか!

師はこう言われました。

「心を安定させることは大切。しかし、人の感情は必要以上に抑えると、まるでバネのように反動が起きるものである。真の心の安定を目指すのなら、人生にとって真に大切な事のためには心を揺らしても行動し、それ以外の事のためには感情が激化し過ぎないように調整し、些細な事には感情を揺らさないようにするべきである。感情は暴走しても、抑えすぎても不調和を招く。」

心というものは苛めすぎても、野放しにしても、進歩しないのだと思いました。
 

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