流  星  

その瞬間、「あっ」としか、大概の人は言えない。
流れ星が飛んでいる間に、三回願いを唱えるとかなうと言われるが、天文学的に根拠はない。
 ほとんどの流星は一秒にも満たないので、不意をつかれた時、瞬時に三回言えるということは
常に思い続けているからで、思い込みの深さをいうのだろう。 
 さて、この流星、空を自在に飛び回っているかのようだが、実はこの地球の、ほんの表面上の現象なのである。ピンポン玉くらいの氷のかけらが、地球の大気の中に飛び込んで(上空100`)、その摩擦熱によって光っているのである。この氷粒、そもそも彗星の残していった残がいで、一つの流星を数か所から写した写真を基に計算すると、太陽の周りを回っていた軌道がわかる。また、流量のスペクトルを写すことによって、流星物質が推測される。さらに、発光熱によって、大気も光っていることが判明している。この大気の光(流星痕)は、流星が消えてからもしばらくは見えていることもあるので、高層大気の風の流れや磁場の状態を知ることができる。また、この高度はちょうど電離層で、流星によって電波をより反射することもわかっている。
 このように、ほんの附間に消えてしまう流星には、こんなにたくさんの秘密が隠されているのである。 

自然との語らい

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