星空を撮すこと 
                                中 川 達 夫
 
本当に星空を写す場合、単に夜空の星空が写っていれば良いわけではない

星空は、その時々寄ってさまざまな表情を見せてくれる。
見上げる場所によっても星空の見え方は大きくちがっている。

季節による星座の見える位置・・・  たとえばオリオン座は7月下旬になれば明け方の東の空に昇ってくる。また5月の夕暮れ時に西の空に見えている。季節と時間帯によって星座の場所が動いている。また金星や木星などの惑星は黄道12星座間を移動するので年によって変わり、それ以上に月の位置は、月独自の動きがあり毎日毎月さらには毎年同じ方向や時間に出てくることはない。

一方星空の世界もさることながら、時々の夜のお天気による違いもある。
雨上がりの晴天の星夜。台風が近づき夜空を雲が早足で流れるとき 雪のやみ間にのぞいた星。一度として同じ夜はない。


星空を写すことは地球と宇宙と同時に写し留めること。
その時かぎりの自然なのである。

特定の場所から特定の星(月)を写す場合はある程度、知識もないと写すことはできない。イメージする写真を撮す場合は、頭の中に地球軸と宇宙軸、さらに時間軸を組み込みこれらが交わった点からしか見えない世界がある。

宇宙から地球に届いた光は、地球の場所が少しでも変わるとーお天気も大きく違うことがある。お天気は、標高によるちがい 風の向き 山の向こうは晴れているのか 雲の表情は何処が良いのか?!半ば運頼みでの撮影も大いにある。地球上の点にたどり着くのをひとつの目標として、そこからは雲の隙間から射しこむ光を待っている。思い通りにいくことは非常に少ない ましてや北アルプス北部では晴天率は高いとはいえず、常に待ちと我慢があたりまえなので、自ずと自然に対しては謙虚に向かい合うことになる。



デジタル機器の進歩で星空を点で容易に表現できるようになってきたが、夜空のキャンバスの中で星たちに動き回った痕跡のある写真も宇宙の深さを感じられる世界と思っている。
星はひとつとして「同じ明るさ」「同じ色」「同じ動き」をするモノはないから「星の動き=地球の自転」を計り、この時限りの世界を創り上げていきたい。

 

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