奥能登 山里だより

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お米と野菜を自給しはじめた 元会員のくらしぶり



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 朝日新聞石川版 『公の風景』 柳田村から  ↑ 

             NO.6 03.03.10

壮大な無駄遣い 
ゴミ
RDF化処理施設・RDF専焼炉が稼動   
松田章子

02.12月1日から国のダイオキシン排出規制が強化された。それに伴い突貫工事を進めていた、私の住む柳田村も参加する奥能登クリーン組合(珠洲市、内浦町、能都町の4市町村)が運営するRDF化施設も稼動した。
ゴミ焼却施設でダイオキシンができることは80年代前半に解っていた。

日本でも86年に実証確認され、ダイオキシンネット、日消連他、市民団体の「ごみ焼却に伴うダイオキシン対策申し入れ」に対し国は「基準値以下だから安全」と10年以上繰り返し、ヨーロッパ諸国の対策に10年の遅れをとった。

 94年に米国で「奪われし未来」が出版され、「環境ホルモン」という概念が常識となり、化学物質の生態系に与える影響の桁が大幅に下がり、厚生省は「基準値以下だから安全」と言えなくなった。
 ようやく重い腰を挙げ97年7月、「自治体の新規ゴミ焼却炉は100トン以上24時間連続運転以上の物でないと補助金を出さない」という通達を出した。

「ダイオキシンは400度から800度の温度帯ででき易く小規模焼却炉で朝夕の起動と終了時の低温帯ででき易い」というのが根拠だと言う。小規模自治体はゴミ処理を広域化すれば市町村合併の露払いともなると中央のお役人は考えたらしい。

その97年8月、関西消費者連盟の『草の根だより』でRDFという名のゴミを直接燃やさず、細かく切って水分を乾かしクレヨン状に固め燃料とするばかげたシステムが出てきたと警鐘を鳴らす報告を読んだ。「こんな高くつきそうなやり方をする自治体はあるまい」という感想を持った。浅はかだった、わずか4ヵ月後RDFが頭上に降ってきた。

 谷本知事は「能登からダイオキシンをゼロにするためにRDF化システムを選んだ」と9712月発表した。RDF化でダイオキシンがゼロにならないことは少しでもダイオキシン問題に興味をもち新聞を読んだりしてきた人にはすぐにわかる事だった。事実わが会員のMさんは私の報告に即座に「谷本君は化学が零点、私も化学は苦手だったけどね」と答えてくれた。全く同感の私です。

当時私は遅ればせながら『奪われし未来』を読み、45歳の高齢出産に鞭打って1年半たっぷり母乳を与えた直後だったのでガーンと頭を殴られた思いだった。「45年間わが身に溜め込んだ(25歳で生んだ第一子にはいろいろの事情が重なり45ヶ月までしか母乳をあげなかった)ダイオキシンをこの子に吸い取ってもらったのだ!」と。

  当時、「公園デビュー」が都会の子育てママのビッグイベントだったらしいが、公園での話題は「ダイオキシン、哺乳瓶のポリカーボネートから解け出るビスフェノールA等の環境ホルモン問題」でもちきりだったそうだ。

 20年前ベトナム戦争の枯葉剤がベトナムの子供たち、及び帰還米兵の子供たちにさえ及ぼした影響と日本の水田除草剤に含まれるダイオキシンを重ね合わせ、日本中の農民が除草剤にゆだねた草取りにあえて挑んだのが「やさいの会」の人々でした。
 その「やさいの会」に縁を得、その延長としてこの山里に来た私としては見過ごせない重大事だった。
以来、村にできたゴミ問題を学ぶサークルに入れていただいて5年の時が過ぎた。

小村ゆえ行政とも二人三脚の五年だった。7分別(内3はビンの色の3分別)から一気に14分別へ。高齢化率35%、農林業に従事してきた人が多い中での周知徹底はなかなかに困難だ。「ゴミは川に流すか、燃やして自分で始末するものだ」というのがお年寄りの確信だ。

全国的な調査では唯一男性の役目であることが多い家事、「ゴミ捨て」もここでは女性の役目の事が多いようである。

私よりはずっと実力のある村の女達の代役として、217日柳田村と能都町の境にある奥能登クリーン組合の「RDF化施設・リサイクルプラザ」と鳥屋町の(ほとんど志賀町との境にある。ゴミを燃やして得た熱で発電することをキャッチフレーズにしているが実はそのためのエネルギーコストの方がうんと高い。送電コストを節約するために志賀原発からの送電線の脇に建てられている)「石川北部RDF専燃炉」を見学した。

その感想が表題の、「壮大な無駄遣い」である。
大掛かりな立派な建物、見学コースはあるがプラント内部に入ることは出来ずガラス越しにしか見れない。
施設の維持管理はプラント会社(日立造船)に委託されている。
 これで真の安全性を守れるのだろうか。東電のようなデータの捏造があってはならないが・・・。
最も心配なのは高温焼却された灰(溶融スラグと呼ぶ)の行方である。
これも「日立」が買い取り処理することになっている。

「ガラス固化」し安全と言っているが高温ではダイオキシンは出来ない代わりに重金属類が生成するとも言われている。
路盤剤に活用されると説明されているが、アスファルトに混ぜられ、やがて大気に重金属他がバラまかれて良いものだろうか?

ダイオキシンの生成を減らすには塩化ビニール他の塩素系の化学物質を生産、使用しないことが第一だ。
そして廃棄物となったものは分別し焼却しないことだ。

『グリーンピース』は90年代初めにすでに「脱塩素社会を実現するためのプログラム」を発表している。塩ビ製品他の代替案はもちろん、その中には関連企業で働く人々の雇用対策も含まれていた。
 根本的なダイオキシン対策はかくあるべきであろう。

未だに厚生労働省は塩化ビニール等塩素系化学物質がゴミ焼却に伴うダイオキシン生成の主犯とは認めていない。塩ビ業界との絆がうわさされている。

「塩、等を燃やしても(ダイオキシンは)できる」と言っている。ならば生真面目な生活者の目線で言えば「納豆のタレを燃えるゴミにうっかり出したらダイオキシンの原因になるの?」と問いたくなる・・・。
事実、キチンと塩化ビニール等塩素系のゴミを分別した自治体は小規模炉でも規制を安価にクリアしている。

RDFはゴミを直接燃やさないからダイオキシンが出ない。だからRDFでゴミ処理を広域化しよう」という甘言に乗ったのは全国でたったの3府県だった。
どこの県にも1日100トン以上のごみが出ない小さい自治体はたくさんある。
いかに厚生労働省のお達しでも余りに無体な通達であったのであろう。

厚生省は99年あっさりと前述の通達を取り下げている。「ダイオキシンネット」他の申し入れの成果と言うよりは各自治体からの反発がよほど強かったのではないか。

石川県は中西知事以来自治省との強いパイプがあり自治省の実験場といわれて来たそうだ。加賀地区のようにうるさい環境団体がない能登地区は実験にピッタリだった?

RDF化施設、及びRDF専焼炉が施設としての耐用年数を迎える頃(普通20年といわれるが15年を検討期としている!)には「あれは20世紀のローテクだった」と言われるのではないかと推理している。

壮大な無駄遣いのコストを負担しているのは私達納税者である。   

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