シドニーでの暮らし

2 シドニーの気候
 オーストラリアは、南半球にあるので季節は日本と逆です。9月にシドニー市内で桜が咲きます。日本と比べると季節感はありません。気温の最も暑い月と寒い月の差を年較差といいますが、約10度ほどです。東京の年較差が22度ですからその少なさが分かると思います。いつ季節が変わったのか分かりません。最も寒い月は7月ですが、月平均気温が12度です。東京でいうと4月や11月の平均気温と同じです。また、最も暑い月は、1,2月ですが東京でいうと9月の平均気温ぐらいです。つまり、一年中東京の9月から11月までの気温の変化しかないのです。だから、いつ季節が変わったのか分からずに過ごしてしまいます。そういえばもう冬だなとか、もう夏だなという感じです。私が最も季節感を感じたのは、星座ですね。大好きだった南十字星は、オーストラリアでは冬の星座で5,6月頃一番早く上がってきます。しかし、12月の夏になると真夜中にならないと見ることができません。逆に夏になるとオリオン座が見えます。オリオン座は夏の星座でしかも逆さになっています。

 最も寒いのは、6月から7月です。最低気温が10度を下回り、朝晩はかなり冷えます。日中はかなり気温が上がり暖かく感じます。前に書いたようにシドニーはあまり暑くも寒くもなりません。そのため、日本のような暖房器具があまり普及していません。我が家にも電気ストーブが3台しかありませんでした。日本から持っていった電気こたつが重宝しましたが、妻が間違えて直接240ボルトに差し込んでしまい、壊れてしまいました。その結果その後は3台のストーブだけの生活になりました。まあ何とか3台の電気ストーブだけで我慢できましたが、日本の石油ファンヒーターでもあればいいなと思うことはありました。電気ストーブもじっとしていると240ボルトのためでしょうかかなり暖かいです。しかし、子どもが動き回ってドアを開けっ放しにすると途端に寒くなってしまいます。こんなに暖かいシドニーですが、私がいた1995年には、シドニーができて200年間の最低気温に匹敵する気温が記録されました。200年間の最低気温は2.1度ですが0.数度違いだったそtうです。もともとそんなに寒くならないことを前提に建てられているのでさすがに寒かったですね。こんなに寒いこともあれば、ポロシャツ1枚で過ごせることもあります。シドニーでは、200年間雪など降ったことがありません。シドニー近く有名なブルー・マウンテンで雪が降るとニュースになるくらいです。ですからスキーなど簡単にできません。シドニーからですと500q離れたオーストラリア最高峰のコジウスコ山の方へ行かないとできません。

 8月になると日差しも次第に長くなり、春の気配を感じるようになります。日本でいえば4月頃の感じです。日中の気温も上がり、日によっては、20度を超えることもあります。9月になると春本番になり、花々が咲き乱れます。桜も9月に咲きます。面白いのは、日本では桜のあとに5月頃に藤の花が咲きますが、シドニーでは桜の咲きに藤の花が咲いていました。ホームページの中でも書かれているカウラは、内陸にあるので桜の開花時期も遅く例年10月10日頃で毎年桜祭りが行われていました。この桜祭りに合わせてカウラ事件の犠牲者の慰霊が行われています。シドニー市内にあるロイヤル・ボタニック・ガーデン(王立植物園)では、色とりどりの花が咲いています。オーストラリアの人は日本人以上に花が大好きです。花屋が至るところにあり、安く花を買うことができます。9月の終わりから10月の初めにかけて春休みになります。そのスタートになるのがレイバー・デー(勤労感謝の日?)で日本のハッピー・マンデーのように10月の第1月曜日になり、3連休になります。この3連休に春の訪れを待っていたかのように人々は観光に出かけます。3連休の始まりの土曜日の夜などは郊外へ向かう自動車で道路は渋滞になります。11月の春の終わりになるとジャカランダの花が咲きます。ジャカランダは、薄い赤紫の花が咲き、桜と同じように葉が出る前に花が咲きます。11月の1ヶ月この花を見ることができます。このジャカランダの花とシドニーの青い空をバックに写真を撮ろうと思いましたが、週末になると綺麗に晴れていなかったように思います。

  12月になると夏になりますが日本ほど暑い夏が来るわけでありません。プール付きの家に住んでいる人の出番ですが、プールに入りたいような30度を超える日はあまりありません。ほとんど使わないプールの管理が大変です。でも、日本人がとうていプールや海に入りそうもない日でもオーストラリアの人たちはプールや海に入っています。それほど暑くならないシドニーですが200年間の最高気温が45.3度です。日本の最高気温の記録42.5度を上回っています。1994年には、この最高気温に匹敵する44度を記録しました。あまり暑くならないのでエアコンも普及していません。ですからこの44度はもう我慢するしかありません。外にいると死んでしまいそうなので、暑い空気が入らないように窓を閉めて家の中でじっとしているしかありません。また、とても乾燥しており、夏でも静電気を感じます。我が家に乾湿計がありましたが、10度以上の差がありました。

  3月から4月に行われるロイヤル・イースター・ショーの頃になると秋本番です。収穫祭でにぎやかになります。お米の産地ニュー・サウス・ウェールズ州内陸部にあるリートンでは米の収穫を向かえます。5月の第2日曜日は日本と同じ母の日ですが、このころはオーストラリアの人たちの大好きな花は少なくなります。母の日のプレゼントに白い菊の花を贈ります。日本では考えられないことですね。日本で白い菊の花でも贈ろうものなら大変ですね。5月になると私の大好きな南十字星も早い時間帯に登ってきます。
クール・チェンジ
  オーストラリアは山脈が南北に走っているので、南からの冷たい空気や北からの暖かい空気が入りやすくなっています。そのためクール・チェンジという現象も起こりやすくなっています。低気圧が近づいてきたとき温暖前線に向かって北から暖かい空気が入り込んで気温が急激に上がります。そして、寒冷前線が過ぎると南から冷たい空気が入り込んで急に温度が下がります。一挙に15度も下がることがあります。これをクール・チェンジと呼んでいます。日本では考えられないような急激な温度変化で体調を崩す人も多いようです。特に日本人に多いようです。

  雨は年中平均しており、季節による差はありません。統計的にいうとやや冬に多く、夏に少ないようです。日本の梅雨や秋雨、冬の日本海側の積雪のようなハッキリした雨期はありません。面白いのは西から低気圧が来ても雨が降ることがないことです。乾燥しきった大陸を横断してきた低気圧は、湿った空気を吸い上げていません。しかも標高1000bのグレート・ディバイディング山脈を越え、乾燥度が更に進んでしまいます。シドニーで雨が降る典型的な気象条件は、シドニーの東側のタスマン海に高気圧が張り出し、停滞したときです。シドニーが高気圧の西の縁に位置し、タスマン海から湿った空気がシドニーへ向けて吹き出します。そして、その湿った空気がシドニーの西にある標高1000bのグレート・ディバイディング山脈にぶつかりシドニーに雨を降らせます。この高気圧がなかなか移動しないと雨が続きます。それも日本の梅雨のようにしとしとと雨が降ります。ほとんど乾燥した日が続く中で1ヶ月以上もこのような梅雨のような日が続くことがあり、部屋の中もカビだらけになってしまいます。
 でも、このようなことは、ごくまれでいつもは日本では考えられないほど乾燥しています。我が家に乾湿計を置いていますが、湿度計の水はすぐに無くなってしまい、頻繁に補充しなければなりません。乾球と湿球の差が10度以上もあること
もあります。私は、静電気に敏感で、冬になると静電気を感じていやになりますが、シドニーでは夏でも静電気を感じます。静電気に敏感な人にとっては、恐ろしい場所かもしれません。
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