リートン  Leeton   オーストラリアの米作地帯

 オーストラリアは世界で10番目の米輸出国である。オーストラリア国内では、ニュー・サウス・ウェールズ州だけで米作りが行われている。その中心がリートンである。リートンは、シドニーから西へ約500q行った内陸地帯にある。年間降水量300から500oととても乾燥しているので本来は、水の必要な米作には向かない土地である。ここでに灌漑により米作が行われている。1枚の水田が50haつまり700m四方ととても広い水田が見られる。
 オーストラリアの米作りは、日本人高須賀穣によって始まった。1905年オーストラリアへやって来た高須賀はビクトリア州北部のニュー・サウス・ウェールズ州との州境に近い土地で米作りを始めた。1921年にようやく苦労が実り米作りに成功した。
 現在オーストラリアの米作は、NSWだけで行われている。NSWの中でも同州南西ジ川に挟まれたリベリナ地域で行われている。リベリナ地域はもともと乾燥地域で昔から干ばつに見舞われてきた。この様な乾燥地域で水を必要とする米作が行われているのは驚きである。この地域の年間降水量は、300ミリ〜600ミリで農業的にいうと年間降水量500ミリが農業限界値で元来なら放牧がやっと行える地域である。このような降水量の少ない地域で多量の水を必要とする米作を可能にしているのは灌漑設備の充実である。
オーストラリア最高峰コジウスコ山を中心とするオーストラリアンアルプスを源流とする。マーレー川、マランベージ川は水に恵まれている。この豊富な水を利用した灌漑設備が米、小麦などの栽培を可能にし、現在この地域はNSWを代表する農業地帯になっている。マランベージ川流域灌漑地域(MIA)の中心がリートンである。MIAでは、この豊かな水を利用したNSWを代表する農業地帯となっている。MIAは、NSWで生産された農産物の中で米43.5%、小麦16.8%、ブドウ38.8%、野菜28.7%、果樹(柑橘類中心)31.9%を占めている。リベリナでオーストラリアで生産されている米の100%生産していることになる。
 リートンには日本の農閑期に多くの農業団体が見学に来るそうである。彼らもその規模に圧倒されるそうである。しかも1ヘクタール当たり10トンという驚異的な収量にも驚かされるそうである。そして、このようなオーストラリア米が日本の市場を支配するのではないかと恐れるそうである。しかし、限られた灌漑地域の中でしかも限られた水を使わなければならないのでこれ以上大幅に収穫量を増やすことはできない。  
 リートンにあるビジターインフォメーションセンターでは、リートン付近の米作について案内してくれます。


 

このような大型機械を使って耕作します。 灌漑用水の水は貴重で厳重に管理されています。
耕地は常に水田として利用するのではなく、輪作を行っています。そこで水田として利用するためには耕地を水平にしなければなりません。耕作前の水田トラクターで耕し、レーザーを使って水平にします。 このように飛行機で種をまいたり、農薬や肥料をまいたりすることもあります。
リートンなどMIAの水の水源となるマランベージ川
リートンのあるマランベージ側流域は年間降水量が500mm程度の乾燥した地域です。稲の栽培のためには年間降水量が1000mm程度必要なの水は不足しています。そこで降水量の多いコジウスコ山から流れるスノーウィー川を堰き止めてその豊かな水をマランベージ川へ流し、リートン付近で灌漑を行っています。
12月終わり頃、まだまた小さな稲。 5月 収穫を間近に控えた水田。黄金色に染まっています。


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