Geographic1 N S W州議会下院議員選挙制度

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 私の滞在中の1995年3月25日にNSW州議会下院議員選挙が行われた。NSW州は1988年以来自由党と国民党の連立政権であったが、与野党か逆転し政権交代か実現した。新首相はロバート・カー氏である。選挙結果は、全議席99のうち労働党50議席(+3議席)、自由党29議席(−3議席)、国民党17議席(0)と労働党が辛うじて過半数を超える結果となった。その後1999年に選挙が行われ、現在は労働党55議席(+5議席)、自由党20議席(−9議席)、国民党13議席(−4議席)、Indepent5議席(+5議席)となった。
 1995年の選挙で労働党が勝った原因として次のようなものがあげられる。1)接戦区における選挙戦術、2)労働党のダメージコントロール、3)カー党首のイメージアップ作戦の成功、4)自由党・国民党の選挙キャンペーンの失敗、5)自由党・国民党の政策面でのイメージダウンが上げられる。これらの選挙結果は下院であって、下院は日本の衆議院に該当し、下院で過半数を取った政党が政権を担当することになる。下院はLegislative AssemblyといいLgislateは法律を制定するという意味でつまリLegislative Assemblyとは、立法議会ということになる。任期は4年で解散もある。下院の選挙制度の特徴として1)小選挙区制2)優先順位付連記投票制、3)義務投票制が上げられる。
NSW州下院議員選挙1999年選挙結果NSW全体
NSW州下院議員選挙1999年選挙結果シドニー都市圏
1)小選挙区制

 オーストラリアの小選挙区は完全な人口比例配分になっている。N SW州下院の場合、NSW州の人nは約599、7万人であるから1選挙当たり約6万人になる。この6万人の選挙区を作るために日本の市町村に該当するものまで解体し、市長村内の町レベルを合わせて選挙区を作っている。私の住んでいるForestivilleはWarringah市にあるが、Warringah市の人口が約17万人で6万人の選挙区を作るために、市が解体され4つの選挙区に分かれ、一部は隣の市と選挙区を形成する。
2)優先順位付連記投票制
 初めて聞いたという人も多いと思う。私自身何のことかよく分からなかった。複数の侯補者が出ている場合、過半数の票を得るまで当選者を確定させない。そのため有数の侯補者に対して1番投票したい人物に1を記入し、それ以外の人物についても2以下のナンバリングをしていく。最も少ない侯補者の票から順番にその他の侯補者に票を割り振っていき、2人になるまでこれを行っていく。上位2人になった時最も得票か多い人物が当選となる。第1回目で過半数を得られれば当選であるが、第1回目1番得票数か多くても当選しない場合もある。下の票は、実際に今回の下院選挙で起こった逆転劇である。選挙区はビーチで有名なマンリーである。

 侯 補 者 政 党   1回 配分   2回 配分   3回  配分   4回 当落
OLDFIELD 自由党 15、343 215 15、558 175 15、733   700 16、433 落 選
MACDNALD 諸派 13、092 127 13、219 295 13、514 3、162 16、676 当 選
GREEN 労働党  4、666  29  4、695 183  4、878 落選
DEE  民主党    877  43    920 落選
SWAN 諸派    416 落選

 一般的な選挙制度であれば、自由党のOLDFIELD侯補が当選であるが、この優先順位付連記投票制のため、第2位であった諸派MCDNALD侯補か逆転して当選した。上の表を見ると分かるように第3回までは自由党のOLDFIELD侯補が第1であったが、第3位の労働党GREEN候補の票が開かれると1、2位が逆転し諸派MACDNALD侯補か当選となった。このマンリーはもともと労働党の弱い地域でGREEN侯補は当選か難しい状況にあった。そこで落選した場合に備えて、自分の票が自由党に行かないように支持者にとのようにナンバリングするか指示を出し、GREEN候補の4、666票のうち3、162票が諸派MACDNALD侯補に回り、自由党のOLDFIELD候補を上回り当選した。このようなケースはよく見られ、当選議員全員が決まるのに時間かかなりかかり、1週間かかることもある。日本のように即日開票で数時間で全議席が確定とはいかない。NSW州下院選挙の場合ナンバリングは、全てにする必要はなく、1番だけでも全てにナンバリングしても良いことになっている。
3)義務投票制
 オーストラリアでは、選挙は国民の義務とされている。そのためその義務を果たさなかった場合は罰金が課せられることになる。NSW州選挙の場合、罰金は25ドルである。連邦選挙の場合は、何故か安く20ドルである。このように罰金が課せられ義務であるため、オーストラリアの選挙での投票率は90%を越えている。日本の場合、若者を中心に政治無関心層が多くなるなど由々しき問題となり、投票率か50%を下回ることも多くなり、投票率を上げることか大きな課題の1つと言えよう。その参考になるのがオーストラリアにおける義務投票制である。たしかにこのように罰金を課せば、得票率は格段に上かる。しかし、そこにも大きな問題がある。政治無関心層が無理やり投票しても誰が当選しても興味関心を示さないため、彼らが誰に投票するというかと1番目に書かれた候補者に投票することが多くなるそうである。そのため1番目になることが侯補者の当落に大きな影響を与えることになる場合か多い。これも大きな問題点であろう。結局は民主主義を支えるためには、国民一人一人か常に政治に興味関心を持つようにしておかなければならない。
 一方上院はLegislative Councilと呼ばれる.上院は定i員は42名で任期は下院の2任期分になり、下院の選挙の度に2分の1か改選される。上院の選挙は、全州1選挙区、比例代表制となっていおり、労働党、自由党、国民党の3大政政党以外の政覚も議席獲得の可能性がある。現在の上院の議会勢力は、労働党16、自由党9、国民党4、民主党1、その他6となっている。