4.コンプレックス

 人はいろいろなコンプレックスを持つ生き物です。

 容姿や身体的なコンプレックスを持つ人もいれば、学校の成績や出身校、運動能力にコンプレックスを持つ人もいます。また、中には人種や出身地にコンプレックスを持つ人もいます。

 人のコンプレックスは様々です。そのコンプレックスを解消するために人はいろいろな努力をします。中には努力で変えられるものもありますが、人種や出身地などは変えようがありません。

 努力で変えうることについては、今後の本人の努力で克服するしかないのでしょうが、変えられないことに対しては、どう対処すればよいのでしょうか。

 結局、そうした前提を素直に受け入れて、それを自然なこととして生きるしかありません。人に学歴を偽って生きていて、いつかばれたりすると、更に惨めなことになってしまいます。

 私達はこうしたコンプレックスと、どうやって付き合えばよいのでしょうか。

 師がある時、こうおっしゃいました。

 「あの女性は心の中にコンプレックスをいっぱいためて生きている。そのために、出会う人すべてが自分を悪く見ているように感じられてしまう。それは、過剰に防衛してしまうからであり、他者の思いを防衛すればするほどに、自分が惨めになってしまうからである。 

 人はどのみち、単なる肉の塊である。肉によって表現される意識は魂の一部でしかない。それを考えて生きれば、人間の価値は別のところにある。

 いかなる学歴も、人種も、能力も、容姿も、魂の本質の輝きではない。真実を知って生きるならば、自ずとコンプレックスは小さくなる。」

 私達はともすると、人を表面だけで判断しているのではないか、と反省するのでした。

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