みんなも使いまっし 金沢ことば
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第9課 寒いさけうちんなか入っとろーさ。

【会 話】
ゆうこ:ほんな帰るわ。長いことあんやと。
ふみこ:なもや、気ぃーつけて帰んまっし。
ゆうこ:あら、雨降っとるがに、傘持っとらんわ。
ふみこ:ほんなこれ持っていっこっちゃ。
ゆうこ:あらー気のどくな。
ふみこ:ほっでも、あんた。通り雨やさけ、もうちょっこりすりゃ、
    やむわいね。ちょっこ待つまっし。
ゆうこ:ほーやねー。ちょっこり待つかいねー。
ふみこ:おいね、寒いさけうちんなか入っとろっさ。
    こっとーとこたつにねまっとるまっしね。

【こ と ば】
◆ あんやと:ありがとう。
◆ 気のどくな:申し訳ない。ありがとう。
◆ ちょっこり:すこし。
◆ こっとーと:ゆっくりと。のんびりと。くつろいだ様子。
◆ ねまる:すわる。

【共通語では】
ゆうこ:それじゃあ帰るね。長いことありがとう。
ふみこ:いいえ、気をつけて帰りなさい。
ゆうこ:あら、雨が降っているのに、傘を持っていないよ。
ふみこ:それなら、これを持っていきなさいよ。
ゆうこ:あら、ありがとう。
ふみこ:それでも、あなた。通り雨だから、もう少しすればやむよ。少し待ちなさいよ。
ゆうこ:そうだね。少し待とうかな。
ふみこ:そうだよ、寒いから家の中に入っていようよ。ゆっくりこたつに入ってなさいよ。

【表 現】

22.「〜さけ」―原因・理由―

(68) 約束あっさけ行けんわ。(約束があるから行けないよ。)
(69) 寒かったし、はよ寝たわ。(寒かったから、早く寝たよ。)

金沢方言の原因・理由を表す接続助詞は「〜さけ」「〜さかい」または「〜し」です。若い世代では「〜し」という言い方をよく使います。また、最近は共通語と同じ「〜から」もよく聞かれるようになり、高校生以下の若い世代では「〜さけ」「〜さかい」はほとんど使われないようです。

70・80代「〜さけ/さかい」>「〜し」
40・50代「〜さけ/さかい」≧「〜し」
20代「〜し」>「〜さけ/さかい」
10代「〜し」>「〜から」

23.「〜がに」―逆接―

(70) 雨降っとるがに、傘もっとらん。(雨が降っているのに、傘を持っていない。)
(71) なーん寒ないがに、えらい厚着しとるじー。(全然寒くないのに、ずいぶん厚着をしているね。)

金沢では共通語「〜のに」にあたる逆接を表す接続助詞として「〜がに」を使います。「〜さけ」と同じように「〜がに」も世代によって言い方が少しずつ違います。若い世代では「〜がんに」「〜んに」という言い方をします。

70・80代「〜がに」
40・50代「〜がに」>「〜がんに」>「〜んに」
20代「〜んに」>「〜がんに」>「〜がに」
10代「〜んに」>「〜がんに」

24.「〜ゃ」― 一般的な条件・順接の仮定条件―

(72) 1に1たしゃ、2やろ。(1に1をたせば、2だろう。)
(73) もっと足が長けりゃいいがに。(もっと足が長ければいいのに。)

金沢では共通語「〜ば」のかわりに「〜ゃ」という言い方をします。


【練習問題】
練習1 次の[   ]の中から選んで文の[   ]をうめてみましょう。
 [ さけ・さかい・さかいに・し ]
(1) 明日約束ある[   ]行けんわ。
(2) 寒かった[   ]はよ寝たわ。

練習2 次の[   ]の中から選んで文の[   ]をうめてみましょう。
 [ がに・がんに・んに ]
(1) 腹へっとる[   ]食べれん。
(2) 会いたい[   ]会えん。

練習3 次の文を例のように金沢のことばに変えてみましょう。
例:羽があれば飛べるのに。⇒(羽がありゃ飛べるがに。)
(1)呼べばすぐ来るよ。
→(               )
(2)安ければ買っておいて。
→(               )

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