みんなも使いまっし 金沢ことば
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第8課 どいてま。ちょっこ待ってま。

【会 話】
母 親:掃除せんなんし、どいてま。
たかし:もーゲーム終わるし、ちょっこ待ってま。
祖 父:えーま。大掃除終わらんがいや。はよどけま。
たかし:やっきねーなー。ほっでも、終わったら続きやらしてや。
母 親:ほんな、このむたむたなん、ちゃんと片づけんなんよ。
祖 父:見とらんとおも思て、またゲームしたらいかんがやぞ。

たかし:この窓もふかんなんけ?
祖 父:おいや、外側もふかなならんぞいや。
母 親:もう、蕎麦できとるぞいね。
    のびてしもーさけ、はよ食べまっしま。

【こ と ば】
◆ ちょっこ:ちょっと。すこし。
◆ えーま:いらだちの表現。ええい。
◆ むたむた:部屋などがちらかっている様子。

【共通語では】
母 親:掃除しなければいけないから、どいてよ。
たかし:もうゲームも終わるから、ちょっと待ってよ。
祖 父:ええい。大掃除が終わらないじゃないか。早くどけよ。
たかし:ついてないなあ。それでも、終わったら続きやらせてよ。
母 親:それじゃあ、このちらかっているのを、ちゃんと片づけなければいけないよ。
祖 父:見ていないと思って、またゲームをしてはいけないんだぞ。

たかし:この窓もふかなければいけないの?
祖 父:そうだ、外側もふかなければいけないぞ。
母 親:もう蕎麦ができているよ。のびてしまうから、早く食べなさい。

【表 現】

19.「〜ま」―強意の終助詞―

(59) はよ、食べまっしま。(早く、食べなさいよ。)
(60) もっと力入れて押せま。(もっと力入れて押しなさいよ。)

文のおしまいに付く「ま」は意味を強める働きをします。例えば「食べまっし」は、やさしく相手に食べることを勧める言い方ですが、「食べまっしま」と言うと、命令するような言い方になります。同じような意味で「食べてま」という言い方もあります。

また、「走る」「押す」などの動詞の命令形に直接「ま」をつけて「走れま」「押せま」と言うと、強めの命令になります。

「する」の「〜ま」の形は「せーま(しーま)」「しろま」です。

(61) お前いいかげんにせーま。

20.「〜んなん」―義務―

(62) 宿題やらんなんよ。(宿題やらなければいけないよ。)
(63) 6時までに帰らんなんげんて。
 (6時までにかえらなければいけないんだよ。)

「〜なければならない」と必要や義務があることを言うとき、金沢方言では「〜んなん」と言います。また、若い人は使いませんが「〜なならん」という言い方もあります。

(64) 宿題やらなならん。

「する」の「〜んなん」の形は「せんなん」「しんなん」です。

(65) 明日遠足やし、早起きせんなん。

21.「〜たらいかん」―禁止―

(66) こんなとっから入ったらいかんよ。
 (こんなところから入ってはいけないよ。)

「〜てはいけない」と禁止するとき、「〜たらいかん」と言います。

また、若い人はあまり使いませんが「だめだよ」という意味で「だちゃかん」という言い方があります。

(67) だらだらしとったらだちゃかんげんぞ。

【練習問題】
練習1 次の文を例のように「〜ま」を使って強く命令する言い方にしてみましょう。
例:はよ起きる。 → (はよ起きま。)
(1)本気で走る。  → (         )
(2)力を入れる。  → (         )
(3)急いで準備する。→ (         )

練習2 次の文を例のように「〜んなん」の形にかえてみましょう。
例:はよ起きる。 → (はよ起きんなん。)
(1)全部食べる。  → (         )
(2)きれいに書く。 → (         )
(3)親孝行する。  → (         )

練習3 次の文を例のように「〜たらいかん」の形にかえてみましょう。
例:はよ起きる。 → (はよ起きたらいかん。)
(1)夜ふかしする。 → (          )
(2)約束をやぶる。 → (          )
(3)宿題を忘れる。 → (          )

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