みんなも使いまっし 金沢ことば
トップ > 目次 > 第4課

第4課 宿題せんと寝たがやって。

【会 話】
正信:宿題してきてんろ、見せてま。
兵衛:なもや。なんやらものかったさけ、宿題せんと寝たがやって。
正信:ほんながか。たいそうやったのー。ほっでもよわったー。
   お前に見してもろーとおも思ーとったさけ、なーんせなんだげっちゃ。
兵衛:だらんこといっとんなま。いつまでもほんなことやったら、
   じきに自分でなんもできんがんなっぞいや。しっかりせーま。
正信:ほーやな……。

【こ と ば】
◆ さけ:から
◆ たいそう:たいへん
◆ よわる:こまる
◆ だら:ばか

【共通語では】
正信:宿題してきたんだろ、見せてよ。
兵衛:ううん。なんだか体調が悪かったから、宿題しないで寝たんだって。
正信:そうなんだ。たいへんだったね。それにしてもこまった。
   お前に見せてもらおうと思っていたから、何もやらなかったんだよ。
兵衛:ばかなことを言っているんじゃないよ。いつまでもそんなことだったら、
   そのうち自分で何もできないようになるよ。しっかりしろよ。
正信:そうだね……。

【表 現】

8.「〜ん」―動詞の否定形―

(27) 最近太り気味やさけ、もう食べんわ。(最近太り気味だから、もう食べないよ。)
(28) 宿題しんとこーっと。(宿題しないでおこうっと。)

金沢方言では動詞「食べる」「書く」などの否定形は「食べん」「書かん」、「見る」「寝る」などの否定形は「見ん」「寝ん」となります。「する」の否定形は「せん」または「しん」(こちらの方が新しい言い方)です。

9.「〜なんだ」―過去形の否定―

(29) 客が一人もこなんだ。(客が一人も来なかった。)
(30) 昨日、宿題しなんだ。(昨日、宿題しなかった。)

動詞「来る」「書く」などの過去形の否定は「こなんだ」「書かなんだ」となります。また、若い人たちの中には「こんだ」「書かんだ」や「こんかった」「書かんかった」という言い方も見られます。「する」の過去形の否定は「しなんだ」「せなんだ」ですが、同じように「しんだ」「せんだ」や「しんかった」「せんかった」という言い方も見られます。

(31) 客が一人もこんだ/こんかった。
(32) 昨日、宿題しんだ/しんかった。

10.「〜んがんなる」―変化の否定―

(33) テレビからもっと離れて見んと、め目ー見えんがんなるよ。
 (テレビからもっと離れてみないと、目が見えないようになるよ。)

変化の否定「〜ないようになる」を金沢では「〜んがんなる」もしくは、「〜んがんになる」「〜んがになる」と言います。また、若い人たちの中では「〜んくなる」と言い方がよく聞かれます。

(34) テレビからもっと離れて見んと、目ぇー見えんくなるよ。

11.「なーん+否定」―全く〜ない―

(35) うちの子ら、なーん勉強しんぞいね。(うちの子たち、全く勉強しないんだよ。)

金沢方言の「なーん+否定」は、共通語「何も〜ない」「全く〜ない」という意味で使われます。

【練習問題】
練習1 次の(   )を例のように金沢のことばに変えてみましょう。
例:誰も(来なかった)。 ⇒ ( こなんだ )
(1)寝坊して朝ごはんを(食べなかった)。
→  (        )
(2)家の手伝いを(しなかった)。
→  (        )
(3)日曜日は学校に(行かない)。
→  (        )

練習2 次の文を金沢のことばに変えてみましょう。
(1)その音はだんだん聞こえないようになった。
 →  (                           )
(2)そのうち自分で何もできないようになるよ。
→  (                           )

練習3 (   )内の意味の金沢のことばを書きましょう。
(1)たくみ:お金足りっかなー。
 父親:                   (何も心配しなくてもいいよ)。
(2)はるき:予習してきたがか?
 こうき:                   (少しもしてこなかったよ)。

戻る進む
トップ > 目次 > 第4課