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金沢ことば豆知識4

だ ら

「だらんことゆーとんなま!」口げんかなどで怒りが頂点に達したときに、金沢の人の口から、このようなことばが発せられることがあります。「だら」は「ばか」の意味で、全体では「ばかなことを言うんじゃないよ」ということになりますが、「いい加減にしろ!」「ふざけるな!」の気持ちをこめて、強い口調で言うとより効果的です。主に男性が使う表現ですが、女性が使うとより迫力があるかもしれません。

一方、同じ「だら」でも、仲のいい友だち同士や家族の間で言われる「だらやなあ」や、親が子ども叱るときなどに言う「だらぶち!」は、親しみを込めた優しいいましめの表現です。「だら」は北陸では石川・富山両県で広く使われていますが、日常よく使うためか、金沢の代表的方言の一つとしてよく紹介されます。

「だら」のようなことばを罵倒語と言いますが、金沢ではほかに「ばか」や「あほ」も使われます。厳密には言えませんが、金沢ではこの三つを微妙なニュアンスの違いで使っているようです。「ばか」や「あほ」では言い表せない強い怒りや親しみを、金沢の人は「だら」をうまく使って表現しています。

金沢の年配の人には、「だら」が金沢辺の独特の方言だと思っている人が多く、真宗王国と言われる信仰心の強い土地柄のせいもあって、「だら」や「だらぶち」が仏教の「だらに陀羅尼きょう教」「だらにぶつ陀羅尼仏」に由来すると信じている人もいます。しかし、金沢の「だら」は、もとは京都あたりで生まれた「ばか」を意味する「たらず(足らず)」が、北陸に伝わるうちに「たらず」→「だらず」→「だら」と形を変えたものだと考えられます。なぜなら「だら」に似た言い方は、石川・富山だけでなく、新潟の一部(「たらず」)や西の鳥取・島根(「だらず」)、九州の一部などに分布し、このことばが京都を中心に周辺に広がったものであることを示しているからです。


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